絞り弁とは
絞り弁とは、配管内部の流体を制御するために使用される機器です。
流体が通るパイプラインや管路に取り付けられ、内部の通路を狭めたり広げたりすることで、流体の流れを調整します。絞り弁は開度を変えることで、必要な流量を確保・制御することが可能です。これにより、プロセスの効率化や流体システムの安定性を向上させることができます。
また、一般的にシンプルな構造を持ち、操作が比較的容易です。開度を変えるための操作手段はさまざまで、ハンドルや電動アクチュエータなどが存在します。これらの操作手段を使用することで、簡単に制御することが可能です。
ただし、絞り弁は流体の通路を制限するため、通過する流体に対して圧力損失が発生します。弁が閉じられるほど圧力損失は増加し、流体移送の効率性に影響を及ぼす場合も多いです。高速で流れる流体が絞り弁を通過する際に局所的な圧力低下が発生し、キャビテーションが起こることもあります。
絞り弁の使用用途
絞り弁は、さまざまな産業や分野で使用されます。以下は絞り弁の使用用途一例です。
1. 自動車
自動車用エンジンは常に最適な燃焼を実現するため、燃料の供給量に対して理想的な空気の量を計算しています。空気の供給量を調整するツールとして絞り弁を使用されることが多いです。アクセルの踏み込みに応じて絞り弁が開放され、燃焼室内により多くの空気が供給されます。
これにより、多くの燃料を燃焼させ、高い出力を得ることが可能です。また、近年では絞り弁の開度を自動制御することにより、車速をコントロールする技術も取り入れられています。
2. プラント
化学プラントにおいて、液体や気体の供給や排出、反応プロセスの制御に使用されます。一例としては、反応器内の圧力や流量を制御するために使用されることが多いです。石油精製所でも、原油の流量や精製プロセスでの圧力制御などに使用されます。
3. 発電所
絞り弁は、発電所においても重要な役割を果たす装置です。発電所の蒸気タービンでは、絞り弁が蒸気の流量と圧力を制御し、発電量やタービンの効率を最適化します。また、発電所では使用される冷却水の流量を制御し、熱交換プロセスを効率化するために使用されることも多いです。
絞り弁の原理
絞り弁の基本的な原理は、弁体の開度によって流体の通路を制限することで、流量や圧力を制御するという仕組みです。具体的な原理は、絞り弁の種類によって異なります。
ただし、多くの絞り弁は弁体の開度によって流体の通路を制限します。弁体の開度を変化させることで、通路の断面積を調節して流体の流れを制御することが可能です。
弁体を閉じることで通路が狭くなり流体の流れが制約され、弁体を開くことで通路が広がり流体の流れが良くなります。弁体が閉じられるほど、圧力損失が増加する場合がほとんどです。この圧力損失は、絞り弁の設計や特性によって異なります。
絞り弁の種類
絞り弁にはいくつかの種類が存在します。以下は絞り弁の種類一例です。
1. グローブ弁
円柱状の弁体を上下に移動させることで、流体の流れを制御する絞り弁です。無段階での流量調整が可能なため、広く利用されています。ただし、圧力損失が多くなることが課題です。
2. バタフライ弁
円盤状の弁体を回転させることで、開閉する絞り弁です。軽量でコンパクトな構造を持ち、比較的低い圧力損失が比較的低いです。開閉に必要な力も少ないといった長所があり、主に中程度の流量制御に使用されます。
3. ニードル弁
ニードル弁は、細長い錐状の弁体を使用して、精密な流量制御を行う絞り弁です。微細な開度制御が必要な場合に使用され、高精度に流体を制御することができます。
4. ボール弁
球体の弁体を回転させることで開閉する絞り弁です。スムーズなオン/オフ制御や流量制御に適しており、高いシャットオフ能力を持ちます。短い回転ストロークで操作できるため、迅速な制御が可能です。
参考文献
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