ライトカーテンとは
ライトカーテン (Light Curtains) とは、人や物体が機械装置の危険領域へ侵入したことを検知する安全確認用のセンサです。
ライトグリッド (Light Grid) とも呼ばれる場合があります。機械装置の扉のない出入り口で、光軸を遮ったことを検知して停止するまでの時間を確保し、人や物体が危険物に接しない距離を決めて設置するものです。
機器によって最小検出体の大きさが異なるため、遮光する物の大きさや安全距離、設置場所の高さなどを考慮した上で、適切なものを選ぶ必要があります。ライトカーテンの光源は、波長400nm~1,500nmの範囲と規定されているため、波長が900nm程度の赤外線を出力するLEDが主に用いられます。
ライトカーテンの使用用途
ライトカーテンは 金属加工、薬品、食品、包装、半導体、液晶製造、搬送、 自動車など、自動化された生産設備のある製造現場で、作業者への安全対策を目的として使われる場合が多いです。
自動組立機、実装機、包装装置、印刷機械やラインコンベア設備など、稼働する危険な領域にパーテーションや扉の設置ができない時、作業者の手や指、腕、足など人体一部、遮蔽物の侵入がないかを監視します。
ライトカーテンの原理
ライトカーテンは、投光器と受光器を組み合わせて、1セットとして構成されます。投光器には直線に並んだ投光素子があり、受光器には直線に並んだ投光素子があります。投光側から投光された複数の平行な光を受光側で受光するように平行に設置します。
投光器側が放つ複数の光を受光器側が全て受け取ると異常なしと見なし、機械装置の運転を許可します。作業者の手足など遮蔽物の侵入により、光軸が一部でも遮られると危険な状態と判断し機械装置の運転を停止する仕組みです。
ワーク通過時と人体侵入時を区別して、検出エリア内をワークなどが通過する際は工程を保持させるミューティング機能や一定の範囲だけを無効化できるブランキング機能なども設けられています。
ライトカーテンの選び方
ライトカーテンは各メーカーにより様々なラインナップがあります。そのため、以下のポイントを考慮した上で、選定すると良いです。
1. ライトカーテンの長さ
ライトカーテン本体の長さは、実際に使う生産現場に合ったものを選びます。短すぎると作業員の身体の一部が危険な領域に侵入しても検出できず、事故につながるためです。反対に、長すぎるとライトカーテンを設置できなくなってしまいます。
2. 耐水性・耐油性
生産現場では埃等が舞っており、ライトカーテンの投光器、受光器の表面に付着すると、投光器の光を受光器が正常に検出できなくなります。その結果、危険だと誤検知する可能性があります。したがって、ライトカーテンを洗う必要があるため、耐水性が高いものを選ぶとメンテナンスが楽になります。
3. 同期方式
ライトカーテンの投光器が光を投光するタイミングと受光器が光を受光するタイミングが同期されていないと、ライトカーテンは安全な状態を監視できているかどうかが分かりません。同期方式には、投光器と受光器を同期線で接続する有線同期方式と光同期方式があります。
光同期方式の方が省配線で取り回しがよくなりますが、別のライトカーテンからの投光器から投光された光を誤って検出すること (干渉) を防止するために、一般的には同期をとるライトカーテンの数は、光同期方式の方が有線同期方式よりも少ないです。
4. 光軸合わせのしやすさ
ライトカーテンは、投光器から出てきた複数の光を受光器で全て受光する必要があります。全て受講できるように投光器と受光器との設置の位置・角度を調整することを光軸合わせと言います。光軸合わせがしやすいか、具体的には受光器のどの部分の受光量がどの程度かをライトカーテンで表示されるか、またライトカーテン本体がねじれ等に強いかという点も重要なポイントです。
参考文献
https://www3.panasonic.biz/ac/j/fasys/sensor/safety/index.jsp#ANCHOR01
https://www.keyence.co.jp/products/safety/
https://www.fa.omron.co.jp/
https://xtech.nikkei.com/dm/article/LECTURE/20130408/275482/?P=3