止水板

止水板とは

止水板

止水板とは、水の侵入を防ぐ部材です。

大きく分けて、土木建築材料としての止水板と建築物などの浸水対策に使われる止水板があります。土木建築材料である止水板は、コンクリート構造物の継ぎ目部分に配置する建材です。地下建造物の建築工事や、ダムやトンネル、高架橋の土木工事などで用いられています。

一方の建築物などの浸水対策に使用される止水板は、台風やゲリラ豪雨などの大雨による浸水から家屋などを守る機材です。このタイプの止水板には一般家屋用の小規模なものから河川の氾濫を防止する大規模なものまで、様々なサイズがあります。

止水板の使用用途

止水板は、大きく分けて、土木建築材料の止水板と建築物などの浸水対策に使用される止水板の2種類です。

1. 土木建築材料の止水板

土木建築材料の止水板は、コンクリート構造物の継ぎ目に配されるものです。コンクリート構造物は、建築の際、まず基礎となるコンクリートを打設し、このコンクリートが乾いてから再びコンクリートを打設しており、このような方法を打ち継ぎといいます。

打ち継ぎ部に配されるのが建築材料の止水板です。地下建造物やダム、トンネルや防潮堤など水が発生する様々な環境のコンクリート構造物に使用されています。

2. 建築物などの浸水対策に使われる止水板

建築物などの浸水対策に使われる止水板は、水が侵入しやすい場所に配置して浸水を防いでいます。具体的な配置場所は、地下鉄の出入り口や店の出入り口、さらにビルやマンションの出入り口、地下駐車場などです。浸水対策に使われる止水板には、河川の氾濫の可能性が高い場所に配されて水害を防ぐ大規模なものもあります。

止水板の原理

止水板の原理は、種類によって異なります。

1. 土木建築材料の止水板

土木建築材料の止水板は、コンクリートの打ち継ぎ部に配置されるものです。打ち継ぎ部では、既に乾いている基礎となるコンクリートと新たに打設したコンクリートが混ざり合うことはなく、間に継ぎ目ができてしまいます。この継ぎ目から水が浸水してしまうため、継ぎ目を埋める打継処理が行われます。

一般的な工法は、この打継処理に金属製の止水板が使用される方法です。コンクリート打設前の配筋状態で金属製の止水板をコンクリートの打ち継ぎする場所に設置します。金属製の止水板が基礎となるコンクリートの表面から垂直方向に突出しており、次に打設されるコンクリートの内部にも入り込みます。そのため、両者の継ぎ目に水が入り込もうとしても、この止水板により防止されます。

2. 建築物などの浸水対策に使用される止水板

建築物などの浸水対策に使用される止水板は、建築物の入り口などに配置して浸水を防ぐものです。そのため、軽量で頑丈なアルミ板などが使用されています。

止水板の種類

ここでは、建築物などの浸水対策に使用される止水板の種類について解説します。主な種類は扉方式、電動式、手動式、スライド式、スイング式、脱着式などです。

1. 扉方式

名前の通り、止水板の形状が扉の形のタイプです。

2. 電動式

平常時は建築物内などに収納されており、稼働時に電気的に止水板を稼働させ止水可能な状態にします。

3. 手動式

手動式は、電動式と形状は同様ですが、設置動作を手操作で行うタイプです。

4. スライド式

スライド式は止水板が横方向に移動し、スイング式は垂直方向に回転軸を持っており、回動して止水板が所定の位置に移動します。

5. 着脱式

脱着式は必要な時のみ取り出して設置するタイプです。収納スペースが必要ですが、低コストでメンテナンスがほぼ不要であるなどのメリットがあります。

止水板のその他情報

止水板の活用

近年、台風や集中豪雨などの突発的な災害で住宅などの浸水が頻発しています。このような状況を踏まえ、自治体などを中心に家庭で行える浸水対策に関する情報が発信されており、家庭用止水板が注目されています。家庭用止水板としてテーブルなどの長い板状の家具を用い、家屋や建屋の出入口に設置し、固定する方法が有効です。

この場合、設置する板の幅は出入口の横幅全体を覆うものを用意する必要があり、設置する板の高さはひざ下程度を目安として適宜調整します。設置する板が動かないように、しっかりと固定することが重要です。固定する手段としては、水のうや、ブロック、ポリタンク、脚立などがあります。また、板と固定部材をブルーシートでくるんだ状態として、これ全体を止水板として使用すれば、止水性の向上が可能です。

その他、家庭でも使用できるさまざまな止水板が各メーカーから販売されています。市販されている止水板は、取り付ける場所に応じて様々な形状のものがあります。例えば、家屋のサッシ枠などに対して簡単に取り付けられる構造を有しているものもあり、短時間での取り付け作業が可能です。

参考文献
http://www.fuji4186.co.jp/
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