風向風速計

風向風速計とは

風向風速計

風向風速計とは、風速計と風向計の機能をどちらも備えた計測器のことです。

風速と風向を同時に測定することが出来るため、風の状態を観測するために用いられています。風向風速計には種類が多数あり、風杯型、風車型、超音波の3つのタイプが主なものです。風向は、36方位あり、10分間か2分間の平均の方向を風向として表示します。

風速は単位時間あたりの空気の移動距離を表したもので、こちらも10分間か2分間の平均の値を風速として、ノットという単位を用いて表示します。大型の高精度観測用から、小型で携帯できるものまであり、幅広い用途に対応しています。

風向風速計の使用用途

大型の高精度観測の用途では、風の状態を観測することで大気の運動を把握することができるため、風向風速は気象を予測するための指標として非常に重要な位置づけとなっています。

風の観測地によって雲の動きや風の強さを把握することで、災害や天気の予測を行うことが出来、日常の天気予報や花粉の予報などの身近な情報から、強風や暴風などや台風や波浪などの注意や警報の発令を行うことで、被害の拡大を防止したりすることに役立っています。

また、船舶や航空機を安全に運行させるためには風の情報が必須となるため、空港や沿岸部には風向風速計が設置され、常にリアルタイムの風の情報を把握しています。

小型の携帯用の風向風速計の用途は、屋内環境における風の状態を観測することを目的として用いられています。具体的には、空調やダクトなどの設備の検査や保守点検業務の際や、クリーンルーム内の空気循環の状態を調査するために使用されています。

風向風速計の原理

1. 風杯型風向風速計

回転軸の周りに半球か円錐の形状をしたカップを3から4方向に取り付けた構造をしています。カップ状の風杯が風を受けて回転する速度を計測することで、風速を測定します。

2. 風車型風向風速計

胴体部分とプロペラ部分からなり、胴体の先端についたプロペラが風を受けて回転することで風速を計測し、胴体が流線型をしているために風の向きに動くことで風向を計測することが可能です。

3. 超音波型風向風速計

超音波風向風速計は、音波の受信部と発信部を二基一組で設置して使用します。超音波の伝達速度は一定ですが、風の影響を受けると伝達する速度が変化するため、音波を空中に発して受信するまでの速度の差分をとることで、風速を計測します。

風光風速計のその他情報

風向風速計の設置場所

1. 観測場所
風速計は風に影響されやすいため、一般的に平坦で開けた場所に設置されます。建物や樹木などの障害物との距離は、障害物の高さの10倍以上必要です。

建物の端や凹凸のある崖の上から吹く風は、風の測定に大きな影響を与えます。風向計は鉄塔を利用してビルの屋上に設置するのが比較的一般的ですが、吹き付ける風や冷却塔などの屋上構造物、ビルの大きさや高さによる風の乱れの影響を受けにくい場所を選ぶことが望ましいといえます。

また、風速計の観測場所を選ぶ際風の乱れがない場所を選ぶことも重要です。風の乱れは近くにある建物の大きさや高さなど、さまざまな要因で発生します。そのため、風の乱れの影響を受けない場所を選ぶ必要があります。

2. 設置場所
風速計は機器支持部の底面が水平になるように、タワーやポストの上に設置します。これにより正確な測定値が得られるようになります。風速計が水平でないと、カップが均等に回転せず、測定値が不正確になります。

水平であるかどうかを判断するには、水準器を使用します。水平器を使用すると、取り付けベースの上部が水平かどうかを確認することが可能です。風速計が水平でなければカップが均等に回転せず、測定値が不正確になるため注意が必要です。

3. 高さ
風速計の高さは2つのポイントに注意して取り付けます。

1つ目は草木や他の建設物などによって邪魔されない高さであることです。2つ目は地表付近の温度勾配の影響を受けない高さであることです。風速計の理想的な高さは、10フィート (3メートル) です。橋梁上やトンネルの出口で風速を観測して自動車や列車を安全に運行させるなど、目的がはっきりしている場合は、目的に合わせて測定器の設置場所や高さを選択する必要があります。

参考文献
http://www.koshindenki.com/products.aspx?id=11
http://www.weather.co.jp/yng/yng.htm
https://www.rex-rental.jp/feature/37/anemometer
https://www.jma-net.go.jp/naha-airport/kansoku/wind/wind.html
https://fieldpro.jp/word/word-wind/ https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kansoku_guide/tebiki.pdf

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です