配管カメラとは
配管カメラは、各種の配管など手や目が届かない場所にケーブルを入れて、配管のつまりや汚れ具合などを確認することができるカメラです。配管カメラの先端にカメラがついていて、手元のモニターで映像を見ながら作業をすることができます。配管カメラを使用することでせまい排水桝や排水管なども、わざわざ管を外したりせずにつまっている位置を特定することができます。
配管カメラは、配管検査カメラ、管内検査カメラなどと呼ばれることもあります。工業用内視鏡、ファイバースコープなども配管カメラと似た用途で使用されています。
配管カメラの使用用途
配管カメラは、手や目が届かない暗くてせまい場所のつまり等の不具合の確認や点検に使用されています。
配管カメラが使用されている場所は幅広いです。具体的には、下水道管の検査や、自動車をはじめとして船や電車、航空機のオーバーホール、チューブやボイラーといった各種パイプラインの検査、床下や天井、エアコンなどの機械の動作確認などに利用されています。
そのほかにも、飲食店の排水管の害虫対策のため、油汚れの状況を確認する用途にも使用されています。汚れている箇所をカメラではっきりと確認できるため、効率的に清掃することができます。ただ、つまっている汚れがカメラを汚してしまうと画像が鮮明に見えなくなってしまうので、あらかじめ高圧洗浄機等で清掃しておいたほうがよいことがあります。
油汚れのほかにも、尿石といって、尿に含まれるカルシウム分がほかの汚れと反応して、管に沈着してつまってしまうことがあります。尿石は便器や管に沈着するので、何度もつまりを除去しても改善されない場合は、配管カメラで汚れの位置を確認し、高圧洗浄機で汚れの位置を狙って洗浄することができます。高圧洗浄機と配管カメラをセットで使用することが多いです。
また、人が入れない場所に配管カメラは入っていけるので、災害救助の現場で活躍することもあります。
配管カメラの原理
配管カメラは、カメラプローブ、ケーブル、モニターに分けることができ、それぞれをつないで使用します。
カメラプローブには150°程度の広角カメラが内蔵されており、内部の様子をワイドに確認することができます。また、LEDライトがついており、モニター部分から明るさ等を調節できるようになっています。カメラプローブは断線したり、損傷したら交換することができます。
ケーブルの長さは機種によって異なります。ケーブルは適度にしなやかになっており、配管の90度の曲がり部分も2か所程度なら進むことができます。
モニターで画像を確認し、保存することができます。画像の保存形式はJPEG、動画はASFやAVIが多く、SDカードで保存します。
充電式で使用する機種が多く、リチウムイオンやニッケル水素バッテリーでフルに充電すると2~4時間程度連続使用できます。
配管カメラの選び方
配管カメラは、まず使用する配管の径の大きさと長さを確認して選びます。配管の長さは最長で100mもの長さに対応しています。また、水中で使用する場合は、対応している水深を確認し、製品を選択する必要があります。配管の径が大きい場合などは、カメラの損傷や安定性を高めるため、センタリングブラシやワゴン等にカメラを取り付けて管内への導入、抜き取りをしやすくしている機種があります。
重量は、軽いものだと2㎏程度、大型になると12㎏程度になります。小型のほうが携帯しやすいですが、カメラの性能等は大型のほうが高い傾向があります。
そのほかに、距離メーター機能がついている機種はつまりや汚れの箇所を特定しやすいので便利です。また、モニターの位置を360°回転することができる機種はせまい場所で使いやすいです。他にも無線LANがついているものもあります。また、カメラの性能により遠方でも焦点距離が合いやすい機種などがあります。
トイレの配管専用の機種もあり、洗浄しやすかったり、シンプルな機能になっています。
配管カメラは安いものでも3万円程度で、高い製品だと70万円程度にもなります。高額な製品は、レンタルをおこなっている会社も多くあり手軽に試すことができます。