階段台車とは
階段台車は、階段など段差のある場所でわざわざ荷物や台車を持ち上げなくても上に登ることができる構造の台車です。台車を持ち上げるにはかなりの力が必要になってしまうので、階段台車を一度利用するとその便利さを実感します。
ハンドキャリーの階段台車は、三輪がついていて、階段にさしかかると3つめの車輪が回転して階段にかかり、少ない力で階段を登ることができます。電動の場合はとくに、重い荷物でも少しサポートするだけで階段を登っていくことができるので腕にかかる負担を軽減することができます。もちろん階段を下りることもできます。階段台車は、階段運搬車、階段昇降車などと呼ばれることもあります。
階段台車の形状は各社工夫されています。キャタピラタイプや折りたたみタイプもあり、階段をうまく登れる構造になっています。
階段台車の使用用途
階段台車は階段を登ったり降りたりする際に利用されています。工場や倉庫などどうしてもエレベータを設置できない場所でも荷物を運搬でき、女性や力のない方でも作業に従事できる利点があります。そのため、階段台車を導入することで労働者の安全性や作業効率を向上させることができます。実際JRの駅などで階段台車が導入されており、ピコンとなる音とともに見かけたことがある方も多いのではないかと思います。
階段台車はとくにせまい団地やエレベーターのない場所に洗濯機や冷蔵庫などの大型の荷物を運ぶ際に便利です。階段台車を利用すると水平移動が可能なので、大型のコピー機やプリンターなどの精密機器も安全に運搬することができます。
ほかにも、段差の高さが合えばトラックへの積み込みや荷下ろしに使用することもできます。
階段台車の原理
階段台車は、大きく分けると三輪タイプとキャタピラタイプに分けられます。どちらも電動とハンドキャリーの両方があります。電動の場合はバッテリー式なので充電が必要です。
三輪タイプ
このタイプの階段台車は両側にそれぞれ車輪が3つ、ついています。段差のない地面に接触しているのは2つの車輪で、階段にさしかかると3つめの車輪が回転して階段上段にかかり、少し上に引き上げるだけでこの車輪が回転してくれるので、少ない力で階段を登ることができます。階段を降りる場合も同様に、上段に接している2つの車輪と下段に接している車輪が回転することで安定して降りることができます。
キャタピラタイプ
階段台車には車輪の他にキャタピラがついているタイプがあります。通常の走行には車輪を使用しますが、階段を登ったり降りたりする際にはキャタピラを引き出して地面につけ、階段の上段と下段がキャタピラに接触するようにします。少し全体を引き上げるとキャタピラが回転して進むので、台車が坂道と同じようにして上がっていくことができます。
いずれのタイプでも荷物が転げ落ちないよう、台車にくくりつけておいたほうが安全です。
それぞれ電動タイプは、電動でモーターが回転し、車輪やキャタピラが回転するようになっているので、少し支えるだけで自動で運搬することができます。
階段台車の選び方
階段台車は、その機能や使い勝手などに合わせて選ぶとよいです。まず気をつけるべき点は最大重量です。機種によって大きく異なるので適切な範囲に収まるようにします。また、車幅も適当なものを選択しましょう。
階段台車の価格は幅広く、ハンドキャリータイプであれば5千円程度から購入することができます。ハンドキャリータイプは車輪まですっきりと折りたたむことができる機種もあり、持ち運びに便利なものが多いです。せまい階段でも利用できるよう小回りが利いたり小型の機種もあります。また、荷物をのせるローディングボードの大きさも種類によって異なります。
電動の階段台車になると、10万円を超えるものが多くなります。大型で重量のある荷物を運搬する仕様の製品が多いです。耐荷重が大きいものほど高額になります。
階段台車はレンタルをおこなっている会社もあるので、迷っている場合や急に必要になった場合などためしに利用してみることができます。