異種材料接合とは
異種材料接合 (英:dissimilar material bonding) とは、異なる機能や特性を持つ素材を接合することです。
金属と金属、金属とセラミックス、金属と樹脂、樹脂と樹脂などの異種材料の接合を言います。
軽量性・耐熱性・耐食性・熱伝導性などに優れた材料を組み合わせて、高機能化・多機能化を図る新しい技術です。マルチマテリアル化とも呼ばれています。
異種材料接合の使用用途
異種材料接合は、自動車の軽量化をはじめ様々な分野で、実用化の開発が行われています。
異種材料接合に対する需要の約55%は金属同士であり、次いで金属と樹脂・セラミックスです。金属同士の接合の大半は、鉄鋼特にステンレス鋼と他の金属であり、次がアルミニウムと他の金属との組み合わせとなっています。
異種材料接合の特徴
異種材料接合の技術は、急速に実用化が進んでいます。
1. 第1ステップ
同種金属間の接合で、合金組成が異なる材料の場合です。鉄鋼材料では、アーク溶接による接合が、自動車業界などで実用化されています。
2. 第2ステップ
異種金属の接合であり、技術的に難しいので、一部の実用化に限定されています。特に自動車産業では、鉄鋼とアルミニュウムの接合により、軽量化のメリットが大きく、活用されています。接合方法は、アーク溶接のような溶融溶接では問題が多いので、接合温度が比較的低い拡散接合法が用いられます。
3. 第3ステップ
異種材料の接合は、技術的ハードルが非常に高く、ごく一部の実用にとどまっています。自動車ボディ構造に使用した例があります。材料構造が全く異なる材料の接合は、非常に困難です。とくに、金属と樹脂及び異種樹脂同士の接合の期待が大きく、技術開発が推進されています。
異種材料接合のその他情報
自動車の軽量化
自動車の燃費向上策の1つが、軽量化です。車体の軽量化に対して、高強度鋼の使用による薄肉化、鉄材からアルミニウム合金への転換、及び樹脂材料化などが進められています。
さらに、強度・加工性・重量・コストを考慮したマルチマテリアルの需要が高まっています。とくに、鉄鋼とアルミニウム合金との異種材料接合と、アルミニウム合金と樹脂やCFRP (炭素繊維強化プラスチック) との異種材料接合の期待が大きくなっています。
鉄鋼とアルミニウム合金との接合は、レーザー溶接・FSW・拡散接合・圧接などが開発され、一部実用されています。
また、アルミニウム合金と樹脂・CFRPとの接合は、レーザー溶接・FSW・接着接合・直接接合などが開発されています。