ウレタン用接着剤

ウレタン用接着剤とは

ウレタン用接着剤とは、靴底などに使用されているウレタンゴム吸音材断熱材としてよく使用されるウレタンフォームなどの接着に適した接着剤です。

ウレタン用接着剤という名称ではあまり見かけませんが、靴底などのウレタンゴムの接着にはシリコーン樹脂接着剤やウレタン系接着剤が用いられています。また、ウレタンフォームの接着にはSBR (スチレンブタジエンゴム) 系接着剤やクロロプレン系ゴム溶剤系接着剤が使用されています。

ウレタン用接着剤の使用用途

ウレタン用接着剤は、ウレタンゴムやウレタンフォーム等の接着に使用される接着剤です。ウレタンゴムの使用分野は非常に幅広く、身近な靴底やキャスター、工業用ローラー、ショックアブソーバフォークリフトのタイヤなどがあります。

ウレタンゴムに適したウレタン用接着剤は、これらの製品の製造時や補修時に必要に応じて使用されています。ウレタンフォームの使用分野も非常に幅広く、吸音材や断熱材といった建築資材のほか、寝具などのクッション材やキッチンクリーナーなどの生活用品などです。

ウレタンフォームに適したウレタン用接着剤も、これらの製品の製造時や補修時、建築時の接着工程など、必要に応じて使用されています。

ウレタン用接着剤の特徴

ウレタン用接着剤として、ウレタンゴムに好適な変成シリコーン樹脂接着剤やシリル化ウレタン樹脂系接着剤、ウレタンフォームに好適なSBR系接着剤、クロロプレン系ゴム溶剤系接着剤などが挙げられます。

1. 変成シリコーン樹脂接着剤

変成シリコーン樹脂接着剤は、変成シリコーンポリマーを主成分とした反応硬化タイプの接着剤で空気中の水分と触媒によって硬化します。ウレタンゴムの接着のほか、シーリング材としてもよく使用されています。

ウレタンゴムの接着に好適な変性シリコーン系接着剤は、1液型がほとんどですが、2液型もあります。1液型は空気中の水分との縮合反応で硬化し、硬化の際にアルコールなどの副生成物が発生しますが、2液型は付加反応で硬化するため、副成物は発生しません。

2. シリル化ウレタン樹脂系接着剤

シリル化ウレタン樹脂系接着剤は、ウレタン樹脂系接着剤の中で代表的なもので、空気中の水分や接着面の水分に反応し硬化します。強力な接着力を持つとともに、硬化後は弾力性のあるゴム状となるため衝撃吸収性が非常に高いです。シリル化ウレタン樹脂系接着剤は、耐水性・耐熱性が高く、屋内・屋外・凹凸面・水回りなどのシーリング材としても使用されています。

3. SBR系接着剤・クロロプレン系ゴム溶剤系接着剤

SBR (スチレンブタジエンゴム) およびクロロプレンゴム等の高分子エラストマーが主成分で、有機溶媒に溶解した接着剤です。

ウレタン用接着剤のその他情報

1. ウレタンと金属を接着する場合

ウレタン樹脂と金属を接着する場合には、ウレタン系接着剤や変性シリコーン系接着剤が好適です。これら接着剤は、ゴムと素材の異なる材料同士の接着に向いているため、ウレタン樹脂と金属の接着にも大きな効果を発揮します。

なお、このように接着剤を使用するときには3つのコツがあります。1つ目は金属やゴムの表面をきれいにして接着剤をはじかないようにする。2つ目は薄く均一に接着剤を塗ることで、塗りムラを無くす。3つ目は接着後に固まるまで十分静置させることです。上記のコツを押さえると、より接着力を向上させることができます。

2. 一般的なウレタン系接着剤

一般的なウレタン系接着剤には、1液タイプと2液を混合するタイプがあります。ウレタン系接着剤は、エポキシ系やアクリル系といった他の反応性接着剤よりも柔軟性が高く、衝撃に強いことが特徴です。

硬化した後は拭き取れないので、拭き取りは硬化前にすばやく行いましょう。なお、使用中に目や鼻に刺激を感じることもあるため、よく換気し、安全メガネやマスク、手袋を着用することが推奨されています。

ウレタン系接着剤のうち、1液型は比較的強度が弱く、2液型は接着強度が強く、高寿命で耐熱・耐候性が高い傾向です。このため、2液型の方が幅広い箇所に使用できます。

参考文献
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/setchakuzai_choose/
https://www.etec.jsr.co.jp/technical/249/
http://www.bond.co.jp/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です