漏水探知器とは
漏水探知器とは、配管などに水漏れが発生していないか調べることができる装置です。
水道管など、地下には多くの配管が設置されています。このような地下に埋められた配管は、目視による漏水の点検ができません。点検のために毎回配管を掘り出すのは、工事の作業やコストがかかりすぎるため現実的ではありません。
漏水探知器は漏水時に発生する音などを漏水の探知に利用するので、このように直接触れられないような部分の点検にも使用できます。当然ながら、目視できる配管についても点検が可能です。
漏水探知器の使用用途
漏水探知器は地下など、直接見ることができない配管についても漏水を探知することが可能です。そのため道路に埋設されている水道管に水漏れが発生していないかを調べたり、または水漏れの位置を特定したりする目的で使われています。
地下にある配管以外では、家庭の水回りの点検が主な導入事例です。トイレ配管や風呂の給湯管、受水槽、水道メーターなどにおける漏水の探知に幅広く使用されています。バルブやカランといった目に見える配管については、目視による点検と漏水探知器による点検を同時に行うこともあります。
漏水探知器の原理
水漏れが生じていると、水が流れる際に通常とは異なる水音が発生します。そのため漏水を調べる方法としては、音を利用した探知方式が広く普及しているのです。地下の水道管であれば水漏れが道路の水没など大きな災害に発展する危険性もあり、漏水の探知は社会的にも必要な技術といえます。
音による漏水の探知は昔から行われてきましたが、従来は聴音棒を用いる方法が一般的でした。聴音棒による探知では、作業者自身で水漏れの音を判別するため、作業者の技量や個人差が影響してしまうという課題があります。また道路騒音など探知したい音以外のノイズがどうしても存在するため、それらに目的の音が埋もれてしまうと漏水探知は困難です。
漏水探知器では音を電気信号として扱うことができるため、これらの課題が生じにくくなっています。たとえば作業者間で判定結果に差が出てしまう点については、探知器のメーターに基づいた共通の基準値を設けることで解決できます。他には信号処理を行うことによってノイズを取り除いたり、特定の音域を強調または低減することで水漏れの音を聞き取りやすくしたりすることも可能です。
参考文献
https://www.measuring.jp/hih/hih07#category_02
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsem/11/3/11_3_261/_pdf/-char/ja