精密ステージとは
精密ステージとは、X軸方向およびY方向、あるいは回転方向に精密に動かすことができるステージです。
機種によって移動可能な軸が異なり、1軸~4軸以上まで様々な種類の精密ステージがあります。
ステージの移動はピッチが小さい送りねじが使用されており、マイクロメーターや減速機付きモーターを使用してマイクロメートルオーダーでテーブルを動かすことができるため、極小サイズのサンプルの観察などに使用されます。
精密にステージを動かせる反面、ステージを動かすことのできる可動域は数センチメートル程度と小さいため、ステージを大きく移動させたい用途には不向きとなります。
精密ステージの使用用途
精密ステージは、X軸、Y軸、Z軸、その他3軸の回転方向など各軸方向を精密に独立して動かすことができるため、サンプルに位置を正確に制御したい場合に使用されます。
半導体素子を始めとした微小物体を観察するための顕微鏡のステージとして使用する場合や加工機械を用いて精密な加工を行うためのワーク固定用ステージとする場合、光学レンズ検査時の光軸合わせなどの検査用ステージなどとして使用する場合、高精度の位置決めで部品を接合するためのステージとして使用される場合があります。
精密ステージの原理
精密ステージは高精度のリニアガイドと送りねじ、送りねじを回転させるためのマイクロメータまたは減速機付きモータによって構成されており、可動軸の数だけこれらの機構が組み込まれています。送りねじを1回展させるとねじのピッチ分(コンマ数ミリメートル程度)ステージが移動します。
マイクロメータを使用する場合には、マイクロメータに刻まれた特殊な目盛りを読み取ることで移動量を把握することができます。
モータを使用する場合には、モータ内部にロータリーエンコーダが内蔵されており回転数を検知できるため、ステージの移動量を制御することができます。
精密ステージは使用用途によってX軸のみの1軸ステージからX軸とY軸の2軸ステージ、Z軸や回転を加えた3軸から6軸のステージと様々な製品が展開されています。6軸精密ステージで1軸のみを使用するようないわゆる大は小を兼ねる使い方をすることは可能ですが、精密ステージは可動軸数が多いほど価格も大きく上がるため必要最小限のスペックのものを選定することをおすすめします。
参考文献
https://www.orimvexta.co.jp/product/detail/?id=007001
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/machine_design/md05/d0015.html