空気抜き弁とは
空気抜き弁とは、水や油などの液体配管に混合する空気を排出するためのバルブです。
エアベントと呼ばれる場合もあります。
空気抜き弁は流体中に一定量以上の空気が混合していると自動的に空気の排出動作を行うため、配管中に接続しておくだけで特別な操作を必要とせずに機能します。
空気抜き弁を用いて液体配管から空気を抜くことで配管の輸送効率を向上させるとともに、配管や継手の振動や異音、ポンプの故障などを防ぐことができます。
空気抜き弁の使用用途
空気抜き弁は空気や油などの流体が流れる経路において空気を排出するために使用され、流体経路内において空気の混合が予想される箇所や空気が混合していると不都合な箇所に設置されています。
空気が混合しやすい箇所としては、加熱により内部の空気が膨張する温水ボイラやソーラーシステム、空気が溜まりやすい配管やタンクの頂部が挙げられます。また、空気が混合していると不都合な箇所としては、ポンプの入り口部などが挙げられます。
空気抜き弁の原理
空気抜き弁は排出口の開閉を行う弁体と弁座、弁体に接続されたフロートによって構成されています。流体内の混合空気量が少量の場合には、フロート位置は十分に高く弁体と弁座が接触することで閉じられています。流体内の空気量が増加すると水位の低下に伴ってフロートの位置も下がり、弁体と弁座が離れることによって排出口が開き、流体の圧力によって空気が排出されます。一定量の空気を排出した後に再度フロートが浮き上がり弁も閉じられます。以上のプロセスによって、空気抜き弁は手動操作や動力を必要とせずに自動で空気の排出動作を実行することができます。
また、空気抜き弁に吸気機能を加えることで流体経路内の負圧を解消できる機能を有したものを吸排気弁と呼びます。吸排気弁は一時的な断水時などに流体経路内が負圧になった場合に急速に空気を流入させ負圧を解消することで、経路内の逆流を防ぐことができます。
空気抜き弁は種類によって適用可能な流体と最低比重が規定されており、最低比重未満の比重の流体に対しては機能が保証されていません。ほとんどの空気抜き弁が水に対応していますが、油やその他の流体を扱う場合には、事前に空気抜き弁の選定作業が必要となります。