張力計

張力計とは

張力計とは、ベルトや繊維、ロープなどの張力を測定する装置です。

テンションメーターとも言われます。

張力計の使用用途

張力計は、紐状の被測定物の張力を測定するのに使用されます。張力とは物質を引っ張ったときに内部で生じる引き合う力のことです。物質や製品ごとに耐えられる張力は異なります。この張力を超えると物質は引張りに耐えられず、破断し、繊維がちぎれる、断線する恐れがあるため物質や製品ごとの張力の測定は重要です。

張力計はワイヤーやロープなどの吊るす用途に使用される製品の張力測定に使用されます。特に引っ張った状態で使用されることが多い線やウィンチロープやエレベーターのワイヤーなどの評価に使用され、張力は高荷重の製品の評価において非常に重要な特性です。

張力計は、フィルムや束になったリボンなどの評価にも有用です。これらの場合は、製品の耐久性の評価として使われ以外に、巻取りなどの製造プロセスにおいてどの位の力で引っ張っても製造可能かを評価するためにも使用されています。

張力計の原理

張力計の最も基本的な構成は、紐状の被測定物を2箇所で支え、中央で押し上げる若しくは押し下げる構造です。この押し上げる若しくは押し下げる力を張力として測定しています。

このような構造の張力計は、携帯性が高く便利ですが、被測定物がきちんと引っ張られていないと正しい張力を測定できません。人間が保持した状態での測定は作業者の体の動きなどが精度に影響するため、スタンドに固定して測定するのが望ましい使用方法です。

また各種装置に使用されているベルトなどの張力を測定するペンシル型張力計では、2つのプーリー間に張られているベルトの中央部をペンシル型張力計で押圧し、押圧力からベルトのたわみ量を差し引いたものを張力としています。また、ベルトの張力の測定には、音波式ベルト張力計も使用されており、ベルトに力を加えて弾き、ベルトから発生する音波を読み取って張力に換算する仕組みです。

張力計のその他の情報

1. ペンシル型張力計の使い方

ここでは、安価で最もポピュラーなペンシル型張力計を用い、2つのプーリー間のベルト張力を測定する場合について説明します。

まず、スパン長を測定します。スパン長とは2つのプーリーの中心同士を結んだ長さです。次に、測定したスパン長をもとにベルトのたわみ量を計算します。例えばVベルトの場合、たわみ量 (σ : mm) とスパン長(L: mm) の関係は、「たわみ量 (σ : mm) = 0.016 × スパン長 (L: mm) 」です。

次に、張力を測定します。スパン長の中心部分に張力計をあてて押さえつけていきます。ペンシル型張力計にはたわみ量を登録して差し引く機能がついているので、表示されている値が張力となります。

2. 張力計アプリの信頼性

音波式ベルト張力計に類似した機能を持つスマートフォン用張力計アプリも開発されています。例えば自動車などの伝動ベルトのようなある程度テンションがかかっているベルトであれば、スマートフォン用張力計アプリでの張力測定が可能です。

これは、音波式ベルト張力計と同様の原理で、テンションがかかっているベルトを弾くことで音波を発生させ、それをアプリで検知することで張力を推定するという仕組みです。Vベルト、ローエッジベルト、タイミングベルト、Vリブドベルト、平ベルトなどに対応しています。

ただし、このようなスマートフォン用張力計アプリでは、音波を測定するスマートフォンのマイクの感度によって精度が大きく変わってしまいます。マイク感度が高ければ、精度が上がり、マイク感度が低ければ精度が下がるため、スマートフォンの性能や測定者のマイク感度の設定により精度が大きく変わることが課題です。

このため、研究や業務など精度の高い張力測定が必要な場合は、スマートフォン用張力計アプリは適しません。アプリの使用注意事項にも注意がありますが、スマートフォン用張力計アプリによる測定値は、あくまでも参考値として捉えるべきです。

参考文献
https://www.forcegauge.net/catalog/products/top/tensionmeter
https://www.forcegauge.net/catalog/products/top/tensionmeter/digital_tensionmeter
https://pac-tech.com/publics/index/23/
https://www.kougu-damashii.jp/product/7082
https://www.mitsuboshi.com/japan/smart_tension/index.html

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