ダイス

監修: 株式会社彌満和製作所

ダイスとは

ダイス

ダイスとは、おねじを切る工具です。めねじを切った工具の溝に切り刃がついています。

ダイスの正式名称は、『ねじ切り丸ダイス』と言いますが、角ダイスやスパイラルダイス、管用テーパねじ用ダイス等もあります。タップがめねじを加工するのに対し、ダイスはおねじを加工する工具です。

色々な金属の丸棒の外側にねじを切る道具ですが、ボルトや小ねじの製造にも使用されます。

昔はタップとダイスが同じ位の数量で使用されていましたが、現在はタップ100に対し、ダイスの需要数量は1~2と極端に少なくなりました。

その理由は、めねじの加工、つまり内側にねじを切るのはタップを使うしかありません。一方おねじ、外側のねじを切る方法は、ダイスを使用する以外にも色々な方法があるからです。

  • バイトで切る方法
  • ねじ転造丸ダイス、ねじ転造平ダイスを使って作る方法
  • ねじ研削盤砥石を使って作る方法

ダイスの使用用途

ダイスハンドルにはめて手で回しながらねじを切ります。(手加工)

また、自動旋盤や、マシニングセンタ、ロクロ旋盤等に取り付けて使用します。

ダイスにはソリッドダイスとアジャスタブルダイス(調整式)の2種類がありますが、アジャスタブルダイスは調整ねじ付きダイスでは調整ねじにより、また、調整ねじなしダイスではくさびにより寸法調節ができるようになっていますが、寸法調節が難しく、ねじ切りが不安定になり、おねじの精度が安定しません。

昔は、このアジャスタブルダイスを上手く調節して精度が安定したねじ切りが出来ることが、一流の職人の証のように言われていましたが、最近ではそのような職人さんが少なくなっています。特に機械を使用してねじ切りをする場合には、すりわりのないソリッドダイスを使用した方がおねじの精度も安定します。

ダイスの原理

ダイスで、おねじをねじ切りする場合、ホルダやハンドルに取り付けて使用しますが、呼びに対する外径や厚さの数値及びその組み合わせの根拠は定かではありませんが、日本で使用されているものは、JIS B 4451付属書にJ形として規定されています。

また外径、厚さには許容差があり、その許容差はアジャスタブルダイスとソリッドダイスとでは異なり、JIS B 4451 付属書で規定されています。

ねじの種類が異なっても、外径と厚さとの組み合わせは同じですが、唯一管用テーパねじ用ソリッドダイスは異なります。

テーパおねじは、管端から基準径の位置までの長さや基準径の位置から大径側に向かっての有効ねじ部の長さ(最小)が決まっており、ソリッドダイスでこの数値を満足するように厚さを算出すると、通常の平行ねじ用における外径に対する厚さの数値とは異なっています。

本記事はダイスを製造・販売する株式会社彌満和製作所様に監修を頂きました。

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