レーザーレベルとは
レーザーレベルとは、水平器にレーザーポイントを内蔵した水平出しをするための機器です。
レベルと言っても、本来のレベルとは異なる点があります。通常、レベルはメモリ付きのスタッフと呼ばれるバーとセットで高低差を測るための機器です。スタッフを持つ役割の人と、レベルを使用する人の2人1組で使用します。
しかし、レーザーレベルはレベルを使用する人の代わりに、レベルから出たレーザーを受光器で受信すれば1人でも計測が可能です。そのため、人員の削減や作業の効率化につながります。
レーザーレベルの使用用途
レーザーレベルは、主に土木や建築の分野で使用されます。特に建築や土木、内装工事で、容易な水平出しが可能なため、現場の効率化が図られます。
また、自動計測で使用されることも多く、使用用途は種類によって異なります。
1. 回転レーザー
回転レーザーは機械の内部にある自動補正機構により、容易に水平出しが可能です。そのため、生コン打ち、床面の仕上げ、コンクリートブロックの積み出しなどに使用されます。
2. ローテーティングレーザー
ローテーティングレーザーは、回転レーザーに勾配設定機能が追加されているレーザーレベルです。水平基準面から1方向と2方向の勾配設定が可能で、レーザーが受信できる距離は広範囲であるため、大規模な工事で用いられています。
レーザーレベルの原理
そもそもレベルというのは、基準点に対して地面が水平になっているか、または基準点に対して高低差を確認する機器です。通常のレベルはレンズを覗いて、基準点を確認後、目標地点の水平や高低差を測ります。
レーザーレベルでは、覗く役割を赤外線レーザーを照射するので、少人数且つ、離れた目標地点でも受光器を使用することにより、スムーズに水平出しが行える仕組みになっています。
前述したローテーティングレーザーなど、勾配の設定が可能なものや建設機械のために作られたものも存在します。しかし、レーザーレベルは、厳密に言うとレベルの範疇には属しません。
公共測量には使えず、その他のレベルより精度がかなり落ちるためです。照射されたレーザーは機械から離れれば離れるほど、レーザーの幅が広くなっていってしまい、正確ではなくなってしまいます。この点がレーザーレベルの欠点です。
レーザーレベルの種類
レーザーレベルは大きく回転レーザーとローテーティングレーザーの2つに分類されます。その他、内装工事向けにレーザー墨出し器などもあります。
1. 回転レーザー
回転レーザーは、レーザーを360°照射するため、すべての方向が計測対象です 。スタッフに受光器をセットし用いることで、レーザーが当たっている場所を音で確認できます。
2. ローテーティングレーザー
ローテーティングレーザーは、回転レーザーの機能と勾配設定機能を持ちあわせているレーザーレベルです。造成や整地の水平・勾配設定から、重機に受光器を取り付けて乗ったまま使用することも可能です。受信距離も1,000mを越えている物もあり、建設現場や農耕地など広大な規模向けと言えます。
3. レーザー墨出し器
レーザー墨出し器は、複数のレーザー光を、壁面、天井、床面に照射して、基準線を照射するレーザーレベルのことです。オートレーザーやラインレーザーと呼ばれることもあり、空間全体をまとめて照射可能なことが特徴です。
光が点滅することもないため、屋内での使用に適しています。360°のレーザー照射はできませんが、リモコンを使用することで自動で照射方向を変えられるので、1人でも作業がスムーズに行えます。
しかし、この製品は屋内で使用する事を前提として作られています。精度を保つためには、40m程の距離までしか使用できません。
レーザーレベルのその他情報
レーザーレベルの校正
レーザーレベルなどの測定機器全般に言えることですが、使用しているうちに部品の劣化や運搬中の振動などにより誤差が生じてきます。そのため、「校正」と呼ばれる作業が必要になります。校正とは、実機と標準機で測定値を比べて、ズレがないかを確認することです。
校正により調整が必要となった場合、修理を行います。定期的に校正と修正を繰り返すと、測定機器の精度が一定に保たれ、高い技術力が確保できます。仕事の発注先やISO9001によっては、測定機器の校正記録を提出しなければなりません。
リース品であればリース会社は作成・保管をしてくれていますが、購入品の場合は、購入した企業で対応する必要があります。
参考文献
https://www.rentalsurvey.jp/topics-menu/topics-top01.html