スペースヒータとは
スペースヒータ (英:Space Heater) とは、電気・電子系装置を温めるためのヒーターです。
寒冷地や屋外の設備が結露・凍結しないようにするために使用されます。通信タワーや電子基板などは凍結によって損傷を受ける可能性があるため、スペースヒータが設置されることがあります。これらの機器内を適切な温度を維持することは、安定した性能を保つ上で非常に重要です。
温度センサーやサーモスタットと組み合わせて使用されることが多く、必要に応じて自動で加熱を開始したり停止したりします。これにより、エネルギー浪費を防ぎつつ、機器内部を最適な温度条件に保持することが可能です。
スペースヒータの使用用途
スペースヒータは主に機器や設備の性能を保護し、厳しい気象条件で安定した動作を確保するために使用されます。以下はその用途一例です。
1. 変電設備
変電設備は電力を安全かつ効率的に配電するための重要なインフラです。これらの設備は屋外に設置されることも多く、厳しい気温変化にさらされます。特に冷え込む地域では、内部の湿度が結露し、機器の腐食や故障の原因となり得ます。
スペースヒータは変電設備内を適切な温度に維持するために使用されることが多いです。これにより、結露や凍結を防ぐことが可能です。機器の信頼性と寿命を向上させます。
2. 通信基地
通信基地は通信サービスの信頼性を確保する上で不可欠です。これらの設備は温度変化が激しい屋外環境や、雨水や湿気が侵入しやすい場所に設置されることが多いです。スペースヒータは通信機器を適切な温度範囲内に保つことで、機器の故障率を低減し、通信の安定性を保証します。
3. 発電設備
再生可能エネルギー源からの発電設備は自然環境の影響を直接受けるため、内部の湿度管理と温度維持が重要です。低温環境下では機器内部に結露や氷結が発生することがあり、故障や性能の低下を引き起こす可能性があります。スペースヒータを使用することでこれらの問題を防ぎ、発電設備の効率的な運用を支援します。
スペースヒータの原理
スペースヒータの基本原理は、電気抵抗加熱を利用しています。電流が抵抗を通過する際に熱を発生させるという仕組みです。ジュールの法則にしたがって発熱します。
抵抗体にはニッケルとクロムの合金である、ニクロムなどの高抵抗金属がよく使用されます。熱効率が高いセラミックの抵抗体も利用されることが多いです。形状も、コイル型や板型など様々です。
外板には、ステンレス鋼板やボンデ鋼板を使用されます。発熱体を覆って保護しつつ、触れた際の感電・やけどなどの人身災害を防止する役割を持ちます。熱は伝達しなければならないため、全面に小さな穴を開口される場合がほとんどです。
設定温度を維持するために、温度センサーを組み合わせたサーモスタットが使用されることがあります。温度が設定値に達すると加熱を停止し、温度が下がると再び加熱を開始する仕組みです。また、過熱を防ぐための安全装置が組み込まれていることがあり、これにより機器の安全性が向上します。
スペースヒータの選び方
スペースヒーターを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。
1. 電源電圧
スペースヒーターの電源電圧は、使用する電源に合わせて選択する必要があります。一般的な電源電圧はAC100VまたはAC200Vです。ただし、特定の場所や用途によっては異なる電源が必要な場合もあります。
2. 加熱容量
加熱容量はスペースヒーターが供給する熱の量を示す指標です。適切な加熱容量を選択することで、目的の空間を十分に暖かくすることができます。加熱容量はワット (W) で表され、スペースヒーターの仕様から確認することが可能です。
3. 寸法
寸法については、設置するスペースを考慮する必要があります。設置スペースが限られている場合には、コンパクトで軽量なモデルが有利です。また、取り付け方法なども重要な要素のため、考慮することが必要です。
4. その他の機能
スペースヒーターにはさまざまな追加機能があります。温度制御や過熱保護機能などが一例です。これらの機能を使用することで、安全性などを向上させることができます。
参考文献
https://www.kawaidenki.co.jp/column/column-534.html
https://aiseidennetu.co.jp/main-products/space-heater/
https://vanes.co.jp/products/search/?category1_id=1