バックプレーン

バックプレーンとは

バックプレーン (英: backplane) とは、コンピュータや通信機器などの電子機器で、基板やカードを接続するための配線基板のことです。

一般的には機器の背面に取り付けられ、差し込まれたカードやモジュールに電源や信号を伝送します。また、バックプレーンは基板を固定するためのブラケットや電源を供給するためのソケット、信号を伝送するためのコネクタなどで構成されています。

バックプレーンは、電子機器の性能を向上させるために欠かせないものです。基板をサポートして、基板の振動や熱の影響を軽減し、信頼性を向上させます。

バックプレーンの使用用途

1. サーバーとネットワーク機器

バックプレーンは、サーバーやネットワークスイッチ、ルーターなどのハードウェアで利用されます。これらの機器では、多数のコンポーネントが高速で並行してデータを処理する必要があります。バックプレーンは、これらのコンポーネント間でデータを効率的に転送し、システムのパフォーマンスを最大化します。

2. データストレージシステム

大量のデータを高速に処理し、保存するためのデータストレージシステムではバックプレーンの使用が一般的です。これにはRAIDアレイやSAN (ストレージエリアネットワーク) などが含まれます。

3. 産業用コンピュータ

製造業、エネルギー、交通などの産業で使用されるコンピュータシステムでも、バックプレーンは一般的です。これらのシステムでは、耐久性と信頼性が重要であり、バックプレーンはこれらの要件を満たすために使用されます。

4. テスト機器

テスト機器は、電子機器の性能や品質を測定するための機器です。テスト機器では、バックプレーンを用いて複数のテストカードを接続し、多種多様な測定項目や条件に対応できるようにします。

バックプレーンの原理

バックプレーンの基本的な仕組みを理解するためには、それがどのようにハードウェアコンポーネントを接続し、データ転送を行うのかを理解することが重要です。

1. コンポーネントの接続

バックプレーンは、基本的には1つまたは複数のプリント基板で構成されています。これらの基板には、コンピュータシステムの各コンポーネントを接続するためのスロットやポートが備えられています。

これらのスロットは、特定のタイプのコンポーネント (例えば、CPU、RAM、ハードドライブなど) に対応しているのが基本です。コンポーネントはこれらのスロットに物理的に接続され、バックプレーンを通じて他のコンポーネントと通信します。

2. データ転送

バックプレーンの主要な機能の1つは、コンポーネント間のデータ転送が可能です。これは、基板に配置された電子回路を通じて行われます。各コンポーネントは、これらの回路を使用してデータを送受信します。

バックプレーンの設計とコンポーネントの種類によっては、データは平行 (同時に複数のビットが転送される) またはシリアル (1度に1ビットずつ転送される) で転送されます。

3. プラグアンドプレイ

バックプレーンは、コンポーネントの追加や交換を容易にするため、プラグアンドプレイの機能を提供しているものもあります。これは、新しいコンポーネントを物理的にスロットに接続するだけでシステムがその存在を自動的に認識し、適切に動作可能にします。

 

これらの要素が組み合わさることで、バックプレーンはシステムの各コンポーネントが効率的に連携し、データを共有できるようにします。バックプレーンは、コンピュータシステムのパフォーマンスと拡張性にとって重要な役割を果たします。

バックプレーンの種類

バックプレーンには、さまざまな規格や形態があります。

1. 規格による分類

バックプレーンの規格には、PICMG、ISA、PCIなどがあります。PICMGは「PCI Industrial Computer Manufacturers Group」が策定した規格で、PCIやPCI Expressなどをサポートしています。ISAは「Industry Standard Architecture」規格で、初期のIBM PCなどに採用されたものです。

PCIは「Peripheral Component Interconnect」規格で、高速なデータ転送が可能なものです。
これらの規格は互換性がある場合もありますが、必ずしもそうではありません。バックプレーンと接続するカードやボードは同じ規格に対応している必要があります。

2. 形態による分類

バックプレーンの形態には、アクティブとパッシブがあります。アクティブ・バックプレーンは、スロット間の信号をバッファリングするチップを搭載しており、複雑なシステムに対応可能です。

パッシブ・バックプレーンは、回路を駆動するような機能を持たず、カードやボード側に調停回路を持ちます。アクティブ・バックプレーンはパッシブ・バックプレーンよりも故障の可能性が高くなります。

参考文献
https://contents.zaikostore.com/semiconductor/3912/

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