ガラスリサイクル

ガラスリサイクルとは

ガラスリサイクル

ガラスリサイクル (英: glass recycling) とは、使用済みで廃棄されるガラスの再利用・再資源化のことです。

2001年に資源有効利用促進法が制定され、ガラス分野でも、リデュース・リユース・リサイクルの3Rへの取り組みが推進されています。ガラスは、珪砂・ソーダ灰・石灰石などを溶解後、成形して、生産されますが、多大なエネルギーが必要です。リサイクルしたガラス原料を使用すれば、エネルギー消費が大幅に低減できます。

この方法は、ガラスの廃棄物を減少させ、新しいガラス製品の生産の際に天然資源の節約に貢献します。ガラスは非常に耐久性があり、環境への影響が少ない素材ですが、リサイクルによってその持続可能性を一層高めることが可能です。

ビール瓶の回収率は100%近くですが、他のガラス製品は回収不十分で、埋め立て処分がまだ多い状況です。

ガラスリサイクルの使用用途

回収されたガラスは、カレットと呼ばれるガラス片にリサイクルされます。このカレットを原料として、色々な商品が出されています。

ガラスメーカーの原料・ガラス瓶など再生ガラスとして、使用される場合が多いです。建築道路分野では、建材タイル・OAフロア・パーティション・樹脂モルタル・舗装用骨材・アスファルト表層骨材・埋め戻し材・目地砂など、さらに屋外家具・雑草抑止材などの用途があります。

粒子の小さいものは、ガラスパウダーとして陶磁器や鉄鋼副資材などに有用です。ガラスびんに関しては、リサイクルの前にリユースを優先するのが重要と言われています。そのためには、何度でも使えるリターナブル瓶の使用促進が鍵となります。なお、日本のリターナブル瓶の使用率は、使い捨てのワンウェイ瓶の数分の一です。

ガラスリサイクルの原理

1. 回収と分別

リサイクル事業者は、回収された廃棄ガラスを処理し、カレットと呼ばれるリサイクルガラス片にして、ガラスメーカーなどへ出荷します。色や種類に応じて分別されます。

クリアガラス、緑色ガラス、茶色ガラスなど、異なる色のガラスは別々に分類され、純度を高めます。

2. 破砕と粉砕

分別されたガラスは、破砕機や粉砕機を使用して細かく砕かれ、ガラス破片に変わります。この段階で、ガラス破片は汚れや異物から清浄化されます。

3. 溶解と精製

破砕されたガラス破片は、高温で溶かされ、ガラスの原材料である主要な成分 (シリカ、石灰、アルカリなど) に戻されます。この過程で、金属やプラスチックなどの不純物は取り除かれ、精製された溶融ガラスが得られます。

4. 形成と冷却

溶融ガラスは、成形機で新しいガラス製品の形状に成形され、冷却されます。この過程で、瓶や窓ガラスなどのさまざまな製品が生産されます。製品の形状と用途に応じて、異なる成形プロセスが使用されます。

ガラスリサイクルのその他情報

1. ガラスリサイクルの効果

ガラス原料の節約
ガラスの原料である珪砂・石灰石・ソーダ灰などの天然の資源が節約できます。

CO2排出量の削減
ガラスの製造時に、リサイクルガラスを原料の一部に使用することで、ガラス溶解炉の消費エネルギーを大幅に削減できます。欧州ガラス瓶連合FEVEは、ガラスを製造する際に、カレットの比率を10%増やすことにより、天然材料だけでガラスを製造する場合と比べて、CO2排出量が約5%減少すると報告しています。

リターナブル容器は、ワンウェイ容器と比較して、原料の調達から製造・回収・廃棄までのトータルエネルギー消費量が大きく抑えられ、排出CO2が減少します。リターナブル容器は、ワンウェイ容器に対して、このエネルギー消費量が数分の1です。

1日に1本の使い捨て飲料瓶をリターナブル瓶に替えると、1本で約100gのCO2排出削減ができる試算があります。一方、ガラスの重量はプラスチックと比較して10倍程度あり、輸送時のCO2排出量が増加します。

そのため、ガラス使用量を少なくして、軽量化するのが必要です。また、日本のリターナブル瓶のリユース回数は平均9回で、40〜50回のドイツと比べかなり少ない問題もあります。

埋立地の延命化
産業廃棄物からガラスくずを無くすことにより、逼迫している埋立地の延命化ができます。また、リターナブル瓶は廃棄物を削減し、埋立地の延命に効果的です。

2. ガラスの種類ごとのリサイクルフロー

板ガラス類
板ガラスのリサイクルは、機械破砕後選別され、粒度分留をします。板ガラス・グラスウール・ビーズ・土壌改良材などに再資源化されます。

瓶ガラス類
瓶ガラスは、選別・磁力選別を行い、撹拌や剥離して不要物を取り除きます。そして、機械破砕・選別後、粒度分級します。ガラス瓶・グラスウール・土壌改良材などに有用です。

自動車ガラス類
廃車車体を重機荒破砕し、湿式剥離・水洗します。その後、磁力選別し、機械破砕・選別して各素材にします。グラスウール・ビーズ・土壌改良材などの原料になります。

高機能ガラス類
テレビ・パネル類などは解体・分別し、撹拌・剥離などによって不純物を取り除き、破砕・選別・粒度分留します。グラスウール・ビーズ・土壌改良材などに有用です。有害物質の除去を行い、貴金属・添加金属などを回収します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です