差圧計

差圧計とは

差圧計

差圧計とは、流体中の圧力差を測定するために使用される計測機器です。

2つの異なる地点の圧力差を検知し、その差を定量化して表示します。流体が配管や管路内を流れる際に生じる圧力の変化を検知するのが役割です。

差圧計は2つのポートを有します。一方のポートには測定したい場所の流体が入り、もう一方のポートには参照点や基準点の圧力が入ります。差圧計は2つのポートの圧力の差を測定し、その結果を表示または記録します。

差圧計の使用用途

差圧計は幅広い用途で使用される機器です。以下は差圧計の使用用途一例です。

1. クリーンルーム

クリーンルームのドアの上部などに取り付けて使用される場合があります。クリーンルーム内が常に揚圧で外部からちりやほこりが入り込まないことを確認するために用いられます。

2. 液位測定

タンクや貯液槽の液位を確認するために使用されます。タンク下部圧力と上部圧力の差を測定することで、液位へ変換します。

タンク内の圧力が高い場合などに有用です。ボイラーや圧力容器の液位測定には、差圧計が適しています。

3. ガス漏れ検知

差圧計はガス漏れの検知にも使用されます。ガスパイプラインやガスタンクの圧力差を監視し、異常な圧力変化を検知することでガス漏れを早期に発見することが可能です。

4. フィルター監視

フィルターシステムの監視にも使用されます。フィルターの目詰まりや効果の低下によって生じる圧力差を測定し、フィルターの交換時期やメンテナンスのタイミングを判断するのに役立ちます。バグフィルタなどは濾布の目詰まりを監視するため、基本的には差圧計が付属する場合が多いです。

差圧計の原理

差圧計はその種類に応じて、原理や構造が異なります。代表的な差圧計はマノメータであり、流体の静水圧を利用して圧力差を測定する機器です。

1. 液体用

液体用の場合は、液体の高さやバネの変形を利用して圧力差を測定します。垂直な透明なガラス管またはチューブに液体が充填されているのが一般的です。

一方のポートには測定したい地点の圧力が入り、もう一方には参照点や基準点の圧力が入ります。測定したいポイントの圧力と参照点の圧力の差によって、液体の高さが変化します。

高さの変化量に応じて圧力差を読み取ることが可能です。目盛りがガラス管上に配置されており、液面の高さを視覚的に確認できる場合が一般的です。

2.  気体用

気体用は気体圧力によるバネやダイヤフラムの変形を利用して、圧力差を測定します。バネやダイヤフラムが外部からの圧力によって変形し、変位を圧力差として示します。圧力差の値の表示方法は、デジタル表示やアナログスケールなどです。

差圧計の種類

差圧計はマノメータ以外にもさまざまな種類が存在します。以下は差圧計の種類一例です。

1. ピトー管式

ピトー管は、流体の速度圧力を利用して圧力差を測定する機器です。主管と静圧孔という2つのポートから構成されています。流体がピトー管の主管に当たることで速度圧力が生じ、その圧力差を測定することで流体の速度や流量を推定します。

ピトー管での流量測定は、ベルヌーイの定理から流量を求める事ができます。非常に簡単な構造で信頼性も高い流量計です。

2. オリフィスプレート式

ピトー管と同様に、流速や流量を測定するための差圧計です。流体の流れるパイプラインに設置される板状のデバイスです。流体の圧力差を測定し、その値から流量を算出します。ピトー管と同様にベルヌーイの定理から流量を計算します。

3. 差圧発信器

差圧発信器は、差圧を測定するための電気機器です。圧力センサーによって差圧を検知し、アナログまたはデジタルの電気信号として出力します。

圧力センサーにはダイヤフラム、伸縮体、またはピエゾ素子などの感圧素子が使用されます。差圧が加わると感圧素子が変形し、その変形量が電気信号として変換されます。

また、圧力センサーからの信号を処理し、変換するための電気回路が組み込まれています。増幅回路やアナログ-デジタル変換回路などが含まれるのが一般的です。圧力センサーからの微小な電気信号を増幅し、信号のノイズを低減して正確な測定結果を得るために使用されます。

参考文献
https://ekuippmagazine.com/measuring/mano/

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