巻取機

巻取機とは

巻取機とは、フィルムなどのシート状製品やホースなどを巻き取る装置です。

一般的には、シートなどを巻き取ることで、取り扱いや保管を容易にするために使用されます。生産された長手製品を芯に巻き取ることで、製品の品質を損なうことなくコンパクトに扱うことができます。

巻取り機は素材の巻き取り作業を効率化し、整理や保管を容易にするための重要な機械です。産業や日常生活のさまざまな場面で使用されており、素材の取り扱いや管理を効果的に行うために欠かせない存在となっています。

巻取機の使用用途

巻取り機は、さまざまな使用用途で利用されます。以下にいくつかの一般的な使用用途を挙げます。

1. 糸や繊維製品の生産

紡績工場や織物工場などで、糸や繊維製品の生産ラインで巻取り機が使用されます。糸を巻き取ることで、取り扱いや加工が容易になります。

糸などの線状の製品を巻き取る場合には、ボビン巻きという手法を採用されるケースが多いです。巻取りの周回毎に常に製品が隣り合った状態で巻き取ることで、絡みや外径のばらつきの無い巻取り状態が実現されます。 

2. 電線やケーブルの製造

電線やケーブルの製造工程では、長い電線やケーブルを巻き取るために巻取り機が使用されます。巻き取りにより、取り扱いや保管が容易です。販売時にも木製ドラムなどに巻き取られた状態で運搬されます。

3. 釣り糸や釣りラインの巻き取り

日常生活で最も身近な例は釣具です。釣り糸や釣りラインを巻き取るために、釣り用の巻取り機が使用されます。巻き取りにより、釣り糸を整理し、絡まりや結び目を防ぐことができます。

4. 化成品の製造

プラスチックフィルムや粘着テープ、紙製品などのシート状の製品を巻き取る場合には、巻芯やリールで製品を巻き取ります。この際、巻き取る力を常に一定に保つようにすることで、シートにしわやたるみがでないように精密な制御がされています。

巻取機の原理

巻取機はフレーム、モーター、ドラム、制御装置などで構成されます。

1. フレーム

巻取り機の基本的な構造は、頑丈なフレームで支持されています。一般的には鉄などの金属で構成されます。フレームは機械の安定性と堅牢性を提供し、他の構造要素を支えます。

2. モーター

巻取機の多くは電動巻取の場合が主流です。電動の場合、駆動源としてはモーターが使用される場合がほとんどです。モーターは、巻取りドラムを回転させる力を供給します。

モーターのサイズや出力は、巻取る素材の重さや巻取り速度に合わせて選定されます。なお、手動巻取の場合はモーターは省略され、代わりにハンドルが付きます。

3. ドラム

フィルムなどの素材を巻き取るためのドラムがあります。巻取りドラムは素材を巻きつけるための表面や溝を持っており、モーターの回転によって素材を巻き上げます。巻取りドラムの形状やサイズは、素材の特性や巻き取り要件に応じて設計されます。

4. 制御装置

巻取り機は制御装置によって操作されます。制御装置は巻取り速度やトラバースの制御など、巻取りプロセスのパラメータを調整します。

巻取り機でシート状の製品をしわやたるみ無く巻き取る場合には、常に一定の張力とする必要があります。しかしながら、巻取りが進行するに連れてロール径も大きくなるため、巻取り軸のモータの出力を一定に保つだけでは張力は維持できません。

そこで、シート製品を巻き取る巻取機にはオープンループ制御やダンサーロールと呼ばれるフィードバック制御を利用して張力を一定に維持しています。

巻取機の種類

巻取り機能の自動化のために2軸以上の巻取軸を備えたターレット巻取機が使用される場合もあります。ターレット巻取機は、製品の巻取りが完了すると、ターレットが回転しシートを切断する巻取機です。同時に切断された端面を新しい巻芯に接着することで、再度巻き取りが開始されます。

線状の製品を巻き取る場合は、ボビン巻取機が使用されます。製品の外径と巻取り位置を幅方向に走査することで、均一な巻径のロールを作ります。巻取り位置がボビン端に到達すると、走査方向が折り返されて製品の絡まりを防止します。 

参考文献
http://www.kyoei-system.jp/makitori/index/indexG000000008_2.html

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