ロータリーコネクタとは
ロータリーコネクタとは、回転接続用のコネクタです。
回転体と非回転体との間を電気的に接続するために使用されます。主に、回転体に電力を供給したり、回転体上のセンサなどの電気信号を非回転体である制御部へ電気信号やデータ、電力などの伝達を可能にしたりする接続部品です。
一般的なロータリーコネクタには水銀やガリウム合金などの液体金属が内部に充填されています。ロータリーコネクタは、産業機械、自動車、医療機器、通信機器など多岐にわたる分野で利用されており、現代の様々な技術的進化に貢献しています。
ロータリーコネクタの使用用途
ロータリーコネクタは回転体と非回転体との間で電気的接続を構成する素子であるため、回転体上に電子機器やセンサを備える装置に多く使用されています。特に、連続稼働している機器や無限回転する必要がある機器は、ケーブルを用いた接続で断線やショートが懸念されます。
しかし、ロータリーコネクタは接点同士の摩擦や電気的な特性を考慮した構造を持つため、その心配も不要です。製造プロセスや装置の自動化が進む産業機械分野において、工作機械やロボットなど回転体を有する数多くの機械で採用の実績があります。
1. 自動車産業
自動車産業では、車載エレクトロニクスの進化に伴い、多くの電子制御装置が車内外で使用されています。こうした装置間の信号伝達や電力供給において、ロータリーコネクタは必要不可欠です。
車載エンターテイメントシステムやセンサー、エアバッグなど、さまざまな機能が円滑に連動するために使用されます。
2. 医療機器分野
手術用ロボットや画像診断装置などの高度な技術が求められる中で、臨床応用においてロータリーコネクタの需要があります。回転しながら信号を伝えることで、高精度な操作やデータの取得が可能となるからです。
3. 通信機器分野
通信機器分野では、アンテナや衛星通信装置など、回転しながらの信号伝達が必要な場面でロータリーコネクタが利用されます。これにより、構造の回転部分と信号伝達部分を連結する際に、信号品質や通信の安定性を保つことが可能です。
ロータリーコネクタの原理
一般的な機械的なコネクタと異なり、ロータリーコネクタは回転運動を伴う構造を持つ機械で広く用いられます。このため、ステータスと呼ばれる固定部分と、ローターと呼ばれる回転部分の2つの構造が安定性を保つ重要な要素です。
ステータスには通常、基盤やフレームに取り付けられた配線が接続され、一方でローターにも別の配線が接続されます。ステータスとローターの間に配置された接点は、信号や電力を伝える役割を果たします。
ステータスとローターの間での回転によって接点同士が常に接触を保ちつつ、信号や電力の伝達が中断することなく持続させることが可能です。また、この接触が高い品質で維持されることにより、信号の損失やノイズの影響を最小限に抑え、高い信頼性を確保します。
さらに、ローターコネクタの設計には、材料選定や接触面の設計が重要な要素です。材料は耐久性や電気的特性を考慮して選ばれ、接触面は高い導電性と耐摩耗性を持つよう工夫されます。さらに、環境条件や使用用途に合わせて防塵や防水の機能が組み込まれることもあります。
ロータリーコネクタの種類
ロータリーコネクタは、その多様な設計と機能によって、さまざまな種類が存在します。用途や要件に合わせて、選択することが重要です。
1. 高周波ロータリーコネクタ
高周波ロータリーコネクタは、無線通信や通信機器での使用に適しており、高周波信号の伝送を効率的に行うための特別な設計が施されています。
2. 高電流ロータリーコネクタ
大容量の電力を効率的に供給するために使用され、産業機械や発電所などの分野で重要な役割を果たしています。高耐久性と高い信頼性を持つ設計が特徴です。
3. 光ファイバーロータリーコネクタ
光ファイバーを介して光信号を伝送するための特別な設計が行われており、高速・高帯域幅のデータ通信において重要な役割を果たします。