監修: コムネット株式会社
ガルバノレーザーとは
ガルバノレーザーとは、レーザー加工機の種類の1つです。
レーザー加工機とは、レーザーで加工を行うための機械です。レーザーカッター・レーザー彫刻機と呼ばれる場合もありますが、大きな違いはありません。レーザー加工機が最もポピュラーな呼び方です。
レーザー加工機は、レーザー光線を照射することで材料の切断、カット、彫刻などさまざまな加工ができるデジタル工作機械です。
レーザーカッター、レーザー彫刻機、レーザー刻印機と呼ばれることもあります。
レーザー加工機・レーザーカッターは、レーザー光線の照射方法によって下記の2種類に分けられます。このうちのガルバノタイプのレーザー加工機が、ガルバノレーザーにあたります。
- フラットベッドタイプ(プロッタタイプ・XYタイプ
- ガルバノタイプ(ガルボタイプ)
ガルバノレーザーの使用用途
ガルバノレーザーは、紙、フィルム、生地などの薄い素材を高速にカットできるため、紙、フィルムを取り扱っている業界を中心に導入されています。
- 印刷・紙工
- 紙器・パッケージ
- 軟包装・食品包装
- シール・ラベル
- アパレル・テキスタイル
- 家具・建具・建築資材
- 産業・工業
ガルバノレーザーの原理
ガルバノレーザーは、固定されたレーザーヘッドから、ミラー制御でレーザーを照射します。ミラーを高速で動かすことで、高速加工を得意とします。
一方、レーザー加工機の中でも広く普及しているフラットベッドタイプ(XYタイプ)は、レーザーヘッドがプリンターのようにXY軸方向に動きます。
ガルバノレーザーは、フラットベッドタイプに比べると加工エリア、カットできる材料の厚みが限られますが、高速で加工できるのが特徴です。
さまざまな素材を加工したい、厚みのある素材をカットしたい場合はフラットベッドタイプ(XYタイプ)のレーザー加工機が適しています。
紙、フィルム、生地などの薄い素材のカット、彫刻加工が多い場合は、ガルバノレーザーがおすすめです。
ガルバノレーザーを構成している3つのパーツと役割について解説します。
1. ミラー
レーザー光を反射する部品で、サイズとコーティングはレーザー仕様により異なります。ミラーは大きくなるほど重くなるため、大きさに応じた加速トルクと電流が必要です。加速トルクとは、モーターを加速・減速させるために必要なモーメントのことです。またモーターのサイズも、ミラーのサイズに依存します。
2. スキャナ
スキャナは、ミラーを動かす駆動源です。ミラーの角度を制御する装置で、現在の位置がわかるセンサーがついています。ガルバノスキャナのモーターは、限定した角度を振動させる構造で、高精度な制御が可能です。回転角度を限定することでモーターの摩擦要因が少なくなり、耐久性を向上させることができます。また、高い急加速性を実現させるために、瞬時に高いトルクが出せるよう設計されています。したがって、目標角度への高速移動が可能です。
3. 制御ドライバ
制御ドライバは、ミラーとスキャナから情報を処理し、ミラー角度を制御するためにガルバノスキャナに電力を供給します。ドライバ内部では、位置指令信号を出力するコントローラーが内蔵されています。コントローラーは、ミラーの位置をドライバに指令するための装置です。ドライバは、ミラー位置指令信号を元に、ガルバノレーザーを制御するための装置です。制御ドライバは、ミラーとスキャナを管理する司令塔の役目をしています。
ガルバノレーザーで加工できる材料・素材
レーザー加工機・レーザーカッターは幅広い材料に対応できるのが特徴です。
代表的なものでは、下記のような材料に加工できます。
- アクリル樹脂
- 木材・木製品
- 紙・ペーパー
- 布地・繊維・テキスタイル
- 革・皮革・レザー
- 金属
- プラスチック・樹脂
- 石材
そのなかでも、ガルバノレーザーは薄い素材を高速にカットできます。
代表的なものでは、下記のような素材です。
- 紙
- フィルム
- プラスチック・樹脂
- 木板
- 布地・繊維・テキスタイル
表面への彫刻加工なら、ほかのレーザー加工機と同様に幅広い素材に加工できます。
本記事はレーザーカッター・レーザー加工機を販売するコムネット株式会社様に監修を頂きました。