園芸支柱

園芸支柱とは

園芸支柱

園芸支柱とは、作物の栽培過程において、成長を支えるのに必要な農業用資材です。

主に実が大きくなったり、つるが伸びていったりするを助けるために使用します。そのほか、農業用ビニルなどの被覆資材を保持するためにも有用です。

園芸支柱の使用用途

園芸支柱は、作物の茎や枝を支えるために使用されます。作物を植えた後、実が大きく成長したり草丈が高くなると、自重に耐えられなくなり、茎が折れやすくなります。

トマトやナスの結実性のものが代表例です。園芸支柱を使用することで、結実性の作物が倒壊するのを防ぎます。また、草丈が高くなるエンドウやそら豆などつる性の作物は、支持体に取り付きながらつるを伸ばしていくのが特徴です。

栽培の際には、園芸支柱とネットを組み合わせて支持体を作り、そこへつるを誘引して栽培します。そのほか、トンネル栽培や雨よけとして、支柱に農業用ビニルなどを被せて使用することも可能です。さらに、実のなる植物の場合、防鳥ネットを被せることで、鳥による被害を抑えられます。

園芸支柱の特徴

長所

園芸支柱の長所は、作物を立体的に育てられるため、下の方の葉の整理がしやすくなることです。適量の下葉を残すことで、風通しや日当たりが良くなり、害虫や病原菌から作物を守ります。さらには、作物の品質向上・収穫量の増加への効果も期待できます。

また、植える作物に適した支柱を使用することにより、結実を良くしたり、つるや茎の伸長を助け、作物の成長を促したりします。数ある支柱を組み合わせることも可能で、作物の管理のしやすさ、作業効率の軽減につながります。

短所

園芸支柱の短所は、種類によって劣化が早いものがあることです。収穫後は、早めに片づけて、雨風にさらされないところに保管しておきます。また、支柱をきちんと土に差しておかないと、強風や豪雨などにより、作物ごと支柱が倒壊する可能性があります。

作物の収量が減り、修復に時間がかかるので、しっかりと立てておくことが重要です。また、生育の途中で支柱の長さが足りなくなると、支柱の差し替えや継ぎ足しが必要になります。あらかじめ植える作物の成長具合を見越して、支柱を選ぶと良いです。

園芸支柱の種類

園芸支柱には、形状やサイズが豊富に揃っており、1種類もしくは2種類以上の形状を組み合わせて使用します。

1. 材質による分類

材質では、木材・プラスチック・鉄などがあります。プラスチックのイボ竹のものが一般的で、安価で取り扱いしやすいので家庭菜園にも使用されます。

また、鉄製のものは生産者の間で使用されており、劣化しにくく丈夫で長持ちするので、高価ではありますが、露地栽培には欠かせない資材となっています。

2. 長さ・太さによる分類

イボ竹の直立式を例にとると、長さは90cm~210cmの間で30cmごとの規格、太さは8・11・16・21・24mmが一般的です。また、ジョイントなどで支柱同士を連結して長さを調節できる画期的なものもあります。

3. 形状による分類

アーチ状や半円状のものもあり、農業用ビニルやネットを被せて、雨除けや鳥よけに使用します。

園芸支柱の選び方

家庭菜園の場合は、一般的なイボ竹のものがおすすめです。植える作物や作物の仕立て方によりますが、トマトに使用する際は、長さ180~210cm・太さ16mm前後のものが適しています。ミニトマトの場合は、太さを細いものに変えるなど、実の大小で太さを変えることも可能です。

つる性のものに使用する際は、つるが伸びると草丈が長くなるので、210mmなど長めの支柱やジョイントで連結できる支柱を選んでおけば、支柱の差し替えやネットの張り替えの必要はありません。

生産者の場合、特に露地栽培だと台風や豪雨などの天災に備えて、本格的な鉄製の支柱を選ぶことが多いです。

園芸支柱の使い方

基本的には、支柱には天地があり、尖っている方を土に差し込みます。強度を増すために深さ30cmくらい差し込みます。苗を植えた後に差す場合は、根を痛めないように少し離れた位置に差します。

1. 直立型

苗の株元近くに垂直に差し込み、差した支柱上方から横方向に別の支柱を紐で結び、つなげます。両端に支柱を2本斜めに差し、交差する部分を紐などで結んで補強します。作物が1本仕立ての作物や、支柱に園芸ネットを張って、ウリ科やつる性の作物にも応用できます。

2. 合掌型

畝の両側から支柱を交差するよう、斜めに差して結びます。横方向に支柱を渡して結び、固定します。直立型より強度が増すので、実の重い作物や、ネットを張って育てる作物にも使用できます。

3. やぐら型

株数に応じて支柱をまっすぐ立てて、横方向に支柱を渡して固定します。畝幅に合わせて、別の畝にも同様に、支柱をまっすぐ立てます。両側の支柱上方に横支柱を渡して固定し、補強します。直立型よりも強度が強く、両側の畝で別の作物を育てることも可能です。

4. アーチ型

アーチ型の支柱には、ネットを張ることで、キュウリなどの栽培が可能です。また、農業用ビニルを取り付けて、トンネル栽培として使用します。作物を寒さや害虫から守ったり、トマトなどの雨よけになります。

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