安全足袋とは
安全足袋とは、地下足袋に指先を保護する先芯が入った足袋のことです。
つま先部分に入れる硬い先芯は、重量のあるものを足に落とした際に、ケガを防止する役割があります。芯を入れることで、地下足袋が安全靴のような強度をもたせることが可能です。
安全足袋は先芯入りのつま先だけでなく、靴底に丈夫な素材を使っており、尖ったものを踏んでしまった場合も、作業者の足を守ります。さらに、安全足袋の靴底は耐久性があり、商品によっては吸盤付きのものなど、滑りにくい足場にもしっかり食いつく素材で作られています。土木や建築での高所作業等 (とび職など) 、危険のある環境で作業する際に適した履き物です。
安全足袋は、つま先が分かれていることから指先に力を入れて歩きやすく、素足感覚で地面を感じやすいです安全足袋の着脱は、小鉤 (コハゼ) と呼ばれる爪の形の留め具で行います。そのため、サイズ調節も可能です。
安全足袋の使用用途
安全足袋は、主にに土木・建設現場、農園芸作業などの場面で使用されます。
足場が悪かったり、重量物を扱ったりする危険な現場では、作業性が良いかつ安全を確保できる靴が選ばれます。
1. 建築現場
建築現場で使用する際に、先芯入りのつま先で落下物から足先を守ります。また、耐久性のある靴底が釘などを踏んだり、滑りやすかったりする場所でも足裏を守り、安全に歩けるようになっています。
2. 農作業
田植えなどの農作業は、伸縮性と防水性に優れたゴム素材の安全足袋が使用されています。
3. 祭り
祭りで神輿をかついだり、多くの人が密集する場所を歩いたりするときには、踏みつけなどからつま先の衝撃に耐える先芯入りの安全足袋が適しています。お祭りなどでは、白色の安全足袋が選ばれます。
また、足への負担を緩和するタイプのものは、ソールに衝撃吸収クッションが施されており、長時間でも快適に履くことができます。
安全足袋の特徴
長所
安全足袋の長所は、安全性と可動性を兼ね備えていることです。硬いつま先の芯は、落下物や他の衝撃から保護し、滑りにくい靴底は足場が悪く不安定な場所でも歩きやすくなっています。
また、ソール部分は、ガラスなどの鋭いものから足を保護するように設計されていて、山林作業や実験室、工場などでの使用にも最適です。靴底のクッションは、歩行時の衝撃を吸収し、快適な履き心地を提供します。
安全足袋は靴に比べると安価で重量が軽く、登山や川釣りなどのアウトドアシーンに持って行きやすいことも長所の一つです。
短所
安全足袋の短所は靴と異なり、色や柄などのバリエーションが少ないことです。どんなコーディネートにも合うファッショナブルさはありませんが、海外では非常に人気のある製品です。
そのほか、ふくらはぎまでを覆うため、高温条件下では蒸れて不快に感じることも短所として挙げられます。
安全足袋の種類
安全足袋には、主に下記のような種類があります。
1. 安全足袋 (鉄先芯入り・樹脂先芯入り)
スタンダードなタイプの安全足袋には、つま先を保護する先芯の素材に、鉄や樹脂の2種類があります。強度は鉄製の先芯入り安全足袋が一番ですが、高所作業などで軽さとある程度の強度が必要なときは、樹脂製のものを選択します。
2. 特殊ソール安全足袋 (スパイク付き・吸盤付き)
ソール部分にスパイクピン付きの安全足袋は、森林作業などに適しています。滑りにくく、泥のぬかるみなどにも対応可能です。
ゴム製のソールに、タコのような丸い形の吸盤が付けられた安全足袋は、足場に吸い付き、高所での作業も特に滑りにくく安心です。
3. 保温安全足袋
安全足袋の裏地に、保温効果のあるボア生地などを使用したタイプです。寒い季節の作業にも適しています。降雪時や寒冷地での作業も、脚を冷えから守ります。
4. 防水安全足袋
防水安全足袋は、雨天時にも作業ができるように全体がゴムで設計されています。足元が滑りやすく、ぬれた環境でも安全性を保てる安全足袋です。
安全足袋の選び方
安全足袋を選ぶ際は、作業内容に合った足袋の性能を考慮することが大切です。
1. 丈の長さ
安全足袋には、くるぶしが隠れる程度の丈の短いものと、ふくらはぎをすっぽりと覆う丈の長いものの2種類があります。短いタイプの安全足袋は、ズボンの裾は足袋の中に入れず、長い安全足袋の場合は、裾は中におさめます。丈の長さは、作業の目的や好みで選びます。
2. 強度
つま先の先芯には、鉄製と樹脂製があります。樹脂製のものは鉄製のものより軽く、可動性はよくなりますが、強度は劣ります。
3. 着脱方法
安全足袋の留め具には、コハゼ、マジックテープ、ファスナーの3種類があります。コハゼは最も一般的な留め具で、激しい動きをしても外れることは基本的にありません。
ただし、コハゼを1つずつ留めていくため、脱ぎ履きに多少時間がかかります。マジックテープは、付けるときに貼り方で緩み具合も調節できるうえ、脱いだり履いたりが簡単です。
ファスナータイプのものは、上げ下げで容易に着脱可能で、ファスナーが壊れたりしない限り長期的に使用できます。