オリゼメート

オリゼメートとは

オリゼメートとは、植物の病害抵抗性を誘導して高い効果を示す殺菌剤です。

具体的には、いもち病・白葉枯病・もみ枯細菌病・穂枯れに優れた効果を発揮します。供給方法は、作物の種類や成長期の違いによって使い分けるのが好ましいです。例えば、稲の育苗期は、育苗箱の上から均一にサンプルする必要がありますが、稲として田んぼで育っている段階は一般的な散布方法で問題ありません。

また、きゃべつや白菜などは全面土壌混和方式が好ましく、きゅうりやピーマンなどは植穴土壌混和方式が適しています。

オリゼメートの使用用途

オリゼメートは、農作物を病原菌による被害から守るために使用します。主に、黒腐病や黒斑細菌病など細菌性の病害に有効です。対象となる農作物として、ブロッコリーやきゅうり、レタス、キャベツ、はくさい、ねぎなどが挙げられます。

また、稲に対しては、いもち病を回避するために使用されます。病気が発生する条件は、低温、日照不足、高湿度です。特に、夏場に気温が著しく下がると稲の生育が遅くなり、病気に対する抵抗力が低下するため発病し易くなります。

また、日照不足により、窒素肥料を農作物が消化し切れず、細菌の餌となるアミノ酸やアマイド態窒素が土壌に堆積してしまいます。高湿度では、多湿・長雨が続くと、夜露などの乾き遅れが発生し、病原菌の胞子が発芽します。こうした予測できない気候変動に対して、オリゼメートは効果を発揮します。

オリゼメートの特徴

オリゼメートの有効成分であるプロベナゾールを吸収した稲は、全てのいもち病に対して反応を示し、感染を阻害すると言われています。

長所

オリゼメートはもともと稲のいもち病予防として開発された農薬ですが、現在ではきゅうりやアブラナ科の野菜、ネギなどの野菜の細菌による病気にも効果が認められています。オリゼメートは防除の効果が長期間続くことから、作業の省力化ができるメリットがあります。

また、長期間効果が持続する特性を活かし、早めに防除することで防除効果を高めることができます。

短所

効果が長続きするという特性は、長所でもあり短所でもあります。野菜類に使用する際、使用時期に収穫30~35日前と書かれているものもあります。防除の効果が切れるまで収穫できなくなってしまうので、収穫期が近い作物には使いにくいです。

また、使用回数が1~2回と少ないため、防除時期を間違えると、やり直しがきかなくなってしまいます。使用時期と使用回数をしっかりと確認し、防除計画を立てることが重要です。

オリゼメートの種類

オリゼメート®粒剤がもっとも広く知られており、3Kg包装のものと10Kg包装のものとがあります。このほかにも、カルタップ塩酸塩4.0%とプロベナゾール8.0%を合わせた「STパダン®オリゼメート®粒剤」やクロチアニジン1.5%とプロベナゾール10.0%とを合わせた「ダントツ®オリゼメート®10粒剤」などがあります。

オリゼメートの選び方

オリゼメートは使用回数の少ない農薬なので、どのタイミングで使用するのかが重要です。水稲での使用においては、葉いもち初発の7~10日前にオリゼメートで防除をすると、葉いもちだけでなく穂いもちにも効果があると言われています。

ねぎやわけぎ、あさつき以外の野菜は定植時にしか使用できません。ネギは収穫30日前まで使用できますが、初期の土寄せ時にオリゼメートを使用する農家が多く見受けられます。 全ての野菜に使用できないため、使用したい野菜が登録されているかを確認することが大切です。

また、他の有効成分と合わせてあるものは、登録されている野菜も異なるので、注意が必要です。

オリゼメートの使い方

オリゼメートは粒剤なので、そのまま散布します。水稲では育苗箱の状態でも使用できますが、茎や葉に付いた薬剤を払い落とした後に潅水する必要があります。

なお、オリゼメートにはいくつかの薬害も報告されており、幼苗や軟弱徒長苗は薬害のリスクが高いので、使用できません。作物ごとに注意点があるため、商品記載の注意点をよく確認してから使用することをお勧めします。

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