ローリングセンターとは
ローリングセンターは、旋盤などの工作機械の部品であるセンターの一種で、回転センターやライブセンターなどと呼ばれることもあります。
センターは旋盤などの心押台に取りつけ、切削加工の際に心押しを行うために、また、工作物(ワーク)の回転の中心を保持するために使います。
センターの種類には固定センターとローリングセンターがあります。ローリングセンターはベアリングを内蔵したセンターで、固定センターに比べ高速回転時の摩擦を抑えることができるという特徴があります。
ローリングセンターの使用用途
ローリングセンターは、普通旋盤・NC旋盤・研削盤・歯車研削盤・ホブ盤・研磨盤など、さまざまな工作機械で回転する工作物を支えるために使用されます。
ベアリングを内蔵しない固定センターが、回転によって生じる摩擦のために回転速度に制限があるのに対し、ローリングセンターはベアリングによって摩擦を低減しているため高速回転の加工が可能です。
一方、ベアリングの回転が加工精度に影響するため、ローリングセンターは高精度の加工には向いていません。
ローリングセンターの特徴
ローリングセンターは、本体にベアリングを内蔵しており、旋盤などの工作機械の主軸と連動して工作物を保持することができます。長い工作物であっても安定して保持し、高速回転の加工時でも工作物が振れるのを防ぐことができます。ベアリングによって摩擦が軽減されるため、ローリングセンターには寿命が長いというメリットもあります。
ローリングセンターは、ベアリングが内蔵されている分ヘッダ部分が太くなっています。そのため、工作物の形状や直径によっては、工具(バイト)とセンターが干渉して加工ができない場合もあり、加工前に治具間の干渉をチェックする必要があります。
ローリングセンターは、ヘッダ部にベアリングが内蔵されているため支点距離が長くなり、その距離に比例した大きさの荷重モーメントが先端部にかかります。また、支点距離が長い分、加工時のたわみも大きくなります。そのため、ローリングセンターは固定センターに比べ、剛性・精度の点で劣っているというデメリットがあります。