マグボールとは
鋼材や鉄板などに、下穴をあけたり、ネジ穴加工すなわちネジ立て作業をする場合、通常はボール盤を用いてドリルやタップにて加工しますが、その作業スタンドが磁石により取り付け可能になっている器具をマグボールといいます。
卓上の小型のボール盤の土台に相当する箇所がマグネット(磁石)式になっており、作業スタンドを鋼材にフレキシブルに設置する事ができるため、作業性の向上や、加工に際しての場所を含め汎用性を上げることができます。
マグボールの使用用途
マグボールはその特徴から、使用用途としては複雑な形状の鋼材の側壁への穴あけや、持ち運びが困難な金属板へのボール加工およびタップ作業に特に適しています。もちろん通常のボール盤としての作業にも使用可能です。
またその用途に応じて、簡易的な手回し型のハンディタイプの機種から、電動式の高速な反復繰り返し作業が対応可能な機種まで、多様な機器がそろっており、自分の使用用途に適した機種が選べるようになっています。
マグボールの原理
マグボールの最大の特徴である土台の吸着部のマグネット(磁石)には、電磁式のものと永久磁石式のものがあります。吸着部は丸形の形状であることが多く、裏あて材を用いることで、薄い金属板への穴あけもできます。
ボール盤での穴あけや、タップでのネジ立ての作業には、手回し式のタイプと電動式のもの、およびラチェット式など、用途に応じて多様なタイプがありますが、その各々にマグネット吸着部が設置されています。取り付け金具の交換により、穴開け用のドリルからネジ立て作業用のタッパーへの工具変換が行える機種が多いです。そのためにマグボールはマグタップと呼ばれることもあり、二つの役目を兼ねた機種になります。
マグボール自体が使用環境を選ばず、汎用性を上げる目的のため、小型以外に持ち運びが容易で軽量であることを特徴としている機種もあり、そのような機種の場合は、例えばタップ立てを鋼材の平面のみならず、側面に取り付けて容易に作業ができるのが魅力です。