溶接マグネットとは
溶接マグネットとは溶接などの作業時に部材を適切な位置で固定するための磁石付きの治具のことであり、別名マグネットホルダーやマグホールドとも呼ばれます。
溶接作業では溶接する二つの材料を溶接したい位置で固定又は保持し、作業を行う必要があります。軽く小さな材料であれば片手で保持した状態でもう一方の手で溶接することも可能ですが、片手での作業は安定性が悪く、正しい位置での溶接が困難なばかりか、やけどや材料同士による作業者の挟まれなどの危険を伴います。また重量物を取り扱う場合には手での保持は困難です。そのような場合に溶接マグネットを用いることによって2つの金属材料一定の角度で保持・固定できることから、両手が空いた状態で溶接作業を行うことができます。
溶接マグネットの使用用途
溶接マグネットの使用用途は、溶接作業や組み立て作業時に複数の金属材料をある一定の位置や角度で保持・固定することです。その名の通り溶接作業において用いられることが多く、特に手では保持が困難な重量物や、細かな作業が必要な場合などで多く用いられます。製品によって保持できる角度は様々であり、製品によっては丸パイプや丸棒を保持可能な製品もあるため、用途に応じた選定が可能です。
また、溶接以外の金属材料の加工や組み立て作業時の仮止めにも用いることが可能であり、簡易的なマグネットホルダとして用いることもできます。
溶接マグネットの選び方
溶接マグネットの選び方として、最も一般的なポイントは保持できる角度です。溶接マグネットは部材を保持する角度を一定に保つことが大きな特徴であることから、保持できる角度の種類が多い製品が一般的には使用しやすいといえます。
一方で複数の角度を有する製品の場合、角度をつける位置によっては大型の部材は使用が困難になるため、注意が必要です。
次のポイントは磁石の種類です。通常の溶接マグネットは鉄やアルミなどで成形した外枠の側面に強力な永久磁石をつけているため、重量物は適切な位置への設置や溶接後の脱着が困難なことや、位置の微調整が困難なこと、鉄粉などの磁性を帯びたごみを吸着してしまうため、不具合の原因となる可能性があります。
このような場合には、電磁石を用いることで時期をオンオフ可能としたスイッチ付きの製品が市販されています。 更に溶接マグネットはマグネットの種類によって保持できる重量が決まっています。大型の材料を固定する場合などに、保持重量以下のマグネットを用いると落下などの危険が高まることから、注意が必要です。