ラウンドスリング

ラウンドスリングとは

荷物の吊り上げや運搬に使用するベルト器具を言います。ラウンドスリングは、ほかのスリング(つり索)に比べて素材とベルトとしての構成が非常に柔らかい点が特徴であり、ワイヤロープや、チェーンスリングよりも運搬の際に荷物を絞りやすいという利点があります。

よってその柔軟性を生かし、重量機器の玉掛けなどにもよく使用されます。
基本的にはシャックルなどと共に使用しますが、ラウンドスリングを機器にまきつけて玉掛け作業を行うこともあります。

ラウンドスリングの使用用途

ラウンドスリングの場合には、荷物をくるむための使用用途が主になります。

ホイストやクレーンなどでの荷物の吊り上げ、吊り卸し時の手法には、一般にチョーク(絞り)吊り、バスケット(籠)吊りやストレート(一本)吊りなどがあります。

ラウンドスリングが柔軟な素材で荷物にフィットするスリングであるために、ワイヤーロープやチェーンなどに比べて運搬時に加重がかかった際に荷物を傷つけにくく、軽量かつコンパクトということで、使用時に持ち運びに便利なベルトであると言えます。

ラウンドスリングの原理

一般にラウンドスリングは、JIS(日本工業規格)に準じて製造されています。

ラウンドスリングは、ベルトスリングとは違い、最大使用荷重を幅で判断できないために、このJISで決められた色で最大使用荷重を判断しますが、一本で上げ下げするストレート吊りの場合は最大使用荷重がそのまま荷物の重量に相当にするのに対して、チョーク(絞り)吊り、バスケット(籠)吊りの場合には、必ずしも荷物の重量とスリングの色の最大使用荷重値が同じにはならない点に注意が必要です。

この辺の色と最大使用荷重の吊り方での関係は、スリングの長さにも依存するため使用する前に製造販売メーカーに、よく確認をしましょう。

さらに実際に現場にて角張った物を吊り上げる場合や、横滑りのおそれのある際は、角度によっては荷重による応力が集中し強度が低下する懸念があります。ラウンドスリングの保護のためにコーナーパットや当て布などで補強する配慮が大切です。

また前述の玉掛け作業を行う場合には免許が必要で、労働安全衛生法に定められた有資格者が行わなければなりせん。

なおラウンドスリングの素材には、一般のポリエステルより強度が高いとされる、強力ポリエステル糸の束をナイロン素材の表面布で包んだ構造がよく用いられています。

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