ケガキゲージ

ケガキゲージとは

ケガキゲージとは、ケガキや墨付けと呼ばれる加工位置の決定と材料への書き込みを行うための工具です。外観はT字状に直尺を組み合わせた形状であり、縦棒部分がノギスと同様に副尺構造となっているため、横棒部分を基準線とした場合の平行線を容易に引くことが可能です。またノギスと同様に主尺と副尺が同軸方向にあることから、線間距離を測定することも可能です。

ノギスと類似した構造ですが、ノギスは長さの計測のみに用いられ、対象物を挟み込んで測定を行うのに対し、ケガキゲージは対象物や基準線と平行にケガキを行うことが出来、さらに対象物に引っ掛けたり、添えたりすることでも正確な測定が可能となります。

ケガキゲージの使用用途

ケガキゲージの使用用途としては、第一に基準線と平行にケガキを行うことが挙げられます。ケガキゲージは主尺の先端部分がT字の横棒のように広がっていることから、ここに基準線を合わせるか、対象物に引っかけるように固定することで、正確に平行線をけがくことができます。主軸先端部分に目盛りを打った製品もあるため、2軸方向のケガキも容易であり、平板への穴あけの位置決定などにも有効な工具です。

第二の使用用途としては線間距離の測定が挙げられます。通常は直尺やノギスを用いて行う作業ですが、直尺が対象物に添えて、またノギスが対象物を挟んで測定するのに対し、ケガキゲージは対象物に引っ掛けた形で測定が可能です。このため平板での端からの距離や、対象物が設備や機会に固定された状態での測定などに効果的といえます。

ケガキゲージの特徴

ケガキゲージの特徴は、平行線をケガくことに特化した構造であるということにあります。副尺を固定することで、同じ幅の平行線を容易にケガくことが可能なため、用途によっては高い精度を保ったまま、作業時間を大幅に短縮することが可能です。一方でケガキゲージは構造上、基準線が出ないものを取り扱うには適しておらず、歪みやバリなどがあると正確なケガキや測定が困難であることには留意する必要があります。

平行線をケガくことと同様に、平行線や製品の長さを測定することも可能ですが、構造上の点から主尺外寸での測定となります。同様の用途に用いられるノギスは内寸での測定となることから、混同しないように注意が必要です。また同様の線間距離の測定が行える製品にハイトゲージがあります。ハイトゲージは高精度な測定が可能である一方、大型であるために機器の固定が必要であり、更に縦方向の測定にのみ特化した製品です。これに対してケガキゲージは軽量で持ち運びが可能であり、複数軸方向の測定に使用可能であるという特徴があります。

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