ウォーターポンププライヤー

ウォーターポンププライヤーとは

ウォーターポンププライヤー

ウォーターポンププライヤー (英: water pump pliers) は一般的なプライヤー (英: pliers) の一種で、主に様々な形状の部品をつかんで締め付けるために使用される工具です。

他のプライヤーと比べて大型で口の部分の形状が平行です。ウォーターポンププライヤーにはジョイントで連結された2本のレバーがあります。ジョイントは可動部品で構成されており、開閉に応じてジョイントを移動させながら口の部分の幅を調整可能です。ハンドル部分に手をかけて開閉すると、口の部分が開いたり閉じたりします。

ウォーターポンププライヤーの使用用途

1. パイプや棒状の部品をつかんで締め付ける

ウォーターポンププライヤーは口の幅を調整できるため、異なるサイズのパイプや棒状の部品をつかんで締め付けます。また口の部分には歯のような突起が刻まれており、部品をしっかりとつかめるため、様々な種類の作業に使用されます。

2. 配管の取り外しや締め付け

配管の取り外しや締め付けにもよく使用されます。特にパイプの曲がり部分など、他のプライヤーでは取り扱いが困難な箇所でもつかめるため重宝されます。

3. 車両整備などの作業でナットやボルトを締め付ける

車両整備などでナットやボルトを締め付ける際にも使用されます。一般的にウォーターポンププライヤーは他のプライヤーよりも大きく、強い力を発揮できます。特に大型のナットやボルトなど他のプライヤーでは扱いが困難な箇所でも使用可能です。

4. 金属パイプや棒材の切断

一部のウォーターポンププライヤーには刃がついており、金属パイプや棒材を切断できます。ただし専用の切断プライヤーに比べると精度が低く、切断が難しい場合もあります。

ウォーターポンププライヤーの原理

ウォーターポンププライヤーは、「梃子 (てこ) の原理」に基づいて動作する工具です。具体的にはプライヤーのハンドル部分が長いレバーとなり、口の部分が力点です。

口の部分で物をつかむと、ハンドル部分に力を加えることで、口の部分にかかる力を増幅できます。ハンドル部分にかかる力が少し増えるだけでも、口の部分にはより大きな力がかかります。つまり「梃子の原理」の応用です。

ウォーターポンププライヤーにはジョイントと呼ばれる可動部があり、ジョイントを利用すると口の部分の幅を調整できるため、様々な種類の部品をつかんで締め付けられます。

ウォーターポンププライヤーの特徴

プライヤーはペンチ (英: Cutting pliers) のように挟むための工具です。プライヤーの中でも主にガス管や水道管の工事などに用いるものがウォーターポンププライヤーで、カラスやアンギラとも呼ばれます。開口部の形状がカラスの嘴に似ているためです。アンギラはアンギラス (英: Anguirus) に由来し、工具メーカーのロブテックス社の商標でしたが、他社の製品でも広く呼ばれるようになりました。他の別名としてツルクチやウォーターポンプレンチもあります。

ウォーターポンププライヤーの開口部は大きく開くため、大きいナットをつかめます。大きな溝が複数あり、丸くて滑りやすい水道管などにも使用可能です。さらに開口部を調節すると、自動車整備などにも利用できます。他の工具に比べて値段が高いですが、幅広い作業に対応できることが利点です。

1. 長所

多機能性
ウォーターポンププライヤーはパイプや棒状の部品をつかんで締め付けること以外に、切断する機能や曲げる機能も備えています。またハンドル部分がレバーの役割を果たすため、小さな力でも大きな力を発生できます。

耐久性
一般的に高品質な鋼材で作られており、頑丈で耐久性があります。また一部の製品には耐久性をさらに高めるため、表面処理が施されている場合もあります。

広い口開き範囲
ウォーターポンププライヤーは二重のレバー構造を持っています。開閉時に伸縮する軟鋼製のジョイントで構成されており、口が開く範囲を調整可能です。

操作性の良さ
ハンドル部分は握りやすく、取り扱いが容易です。またジョイントが可動するため、口の開閉幅を簡単に調整できます。

汎用性
広範囲の部品をつかめるため、自動車整備や建築現場、家庭など様々な場面で使用されます。

特殊な作業に適している
専用のプライヤーやニッパーでは処理が難しい特殊な形状の部品やワイヤーなどを取り扱えるウォーターポンププライヤーもあります。

2. 短所

大きさ
一般的なプライヤーと比較してウォーターポンププライヤーは大きくて重量もあるため、細かい作業には不向きです。

精度の低さ
多機能性を追求しているため、専用のプライヤーやニッパーに比べて精度が低い可能性があります。ワイヤーを切断する場合には、専用のニッパーの方が正確に切断できます。

手首への負担
使用時には手首に負担がかかる場合があります。特に長時間作業したり、力を入れて作業する際には、手首の疲労や負傷の原因となる可能性があります。

操作性の悪さ
機構が複雑なため、使い方を間違えると機構が破損するリスクがあります。また正確に取り扱わないと、部品を傷つけたり変形させる可能性もあります。

ウォーターポンププライヤーの選び方

適切なウォーターポンププライヤーを選択するためには、次の4つに着目する必要があります。

1. サイズ

まず作業場所に合わせてサイズを選ぶことが重要です。配管回りは管が入り組んだ閉所が多いため、ウォーターポンププライヤーが大きすぎると閉所での作業が困難です。

2. 素材

一般的に素材は鉄や合金鋼が多いです。鉄製は耐久性に優れ、長期間使用可能です。

3. 機能性

幅広い機能を備えるウォーターポンププライヤーもあります。具体例として長時間の作業に適したグリップ機能やドライバー機能が挙げられます。

4. 口の開き具合

締め付けたい素材の大きさを確認して、口の最大開き幅と合うものを選ぶ必要があります。開口部の幅を調節すると、多彩な素材にも対応可能です。

ウォーターポンププライヤーのその他情報

一般的にウォーターポンププライヤーは鋼材で作られることが多いですが、中にはプラスチック製のものもあります。プラスチック製のものは、軽量で扱いやすく、部品を傷つける心配がないため、特に電気製品や精密機器などを扱う場合に適しています。

プラスチック製のウォーターポンププライヤーの材料は、一般的にABS樹脂やポリアセタール (英: polyacetal) 樹脂などです。軽量で強度があり、耐久性に優れているため、工具としての機能性は十分に保たれます。また鋼材製に比べてコストが安く、低価格帯の製品が多く存在します。

ただしプラスチック製は鋼材製に比べて強度が低く、大きな力をかけると破損したり、高温の環境下で使用すると変形する可能性もあり、使用する際には注意が必要です。

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