IO Link

IO Linkとは

IO Linkとは複数のデバイスを制御するためのシステムの一つです。従来は配線で一つ一つのセンサーと制御盤をつなぎ、センサーのON/OFFなどの情報のやり取りを行っていましたが、誤配線などのリスクがありました。一方でIO LinkはIO Linkマスタと各デバイスをケーブルでつなぎ、社内ネットワークにも接続することで一括制御、パラメータ変更を行うことができます。

IO Linkを用いることでデバイスとやり取りする情報の量も増やすことが可能です。そのため、従来のON/OFF情報に限らず、装置のプロセス条件や製品情報、不具合や異常時の記録を行うことができます。その他、IO Linkマスタにパラメータの保存を行うことも可能なのでデバイスの交換を行った際もパラメータを読み込ませてすぐに稼働させることができます。

IO Linkマスタ

IO Linkとは製造現場などでセンサーやアクチュエータ、分析装置など様々なデバイスを社内ネットワークに接続してPLCなどで制御する技術です。IO Linkは各種デバイスをIO Linkマスタに接続したのちに社内ネットワークにつなぎます。IO Linkマスタには複数台のデバイスとケーブルで接続できるポートが複数設置されているほか、イーサネットなどPLCと接続できるポートもあります。

IO Linkマスタは各センサーの測定値をデジタルデータとしてPLCなどのコントローラーに送信することができます。また、IO Linkを用いることで逆にPLCから各デバイスの設定を一括で行うことも可能です。更にIO Link内で各デバイスのパラメータを自動で保存できるため、デバイスを付け替えた場合もすぐに稼働させることができます。

なお、IO Linkを利用する際はIO Linkマスタのみならずデバイス側もIO Link対応のセンサーを用いる必要があります。IO Link対応のデバイスは通信機能を搭載しており、ケーブルを通して装置の制御や多くの情報のやり取りが可能になります。

IO Linkのメリット

従来のデバイスとのやり取りでは端子台に配線することで通信を行っていましたが、複数のデバイスをまとめて接続した場合、配線を誤るリスクも高まります。一方でIO Linkはケーブルをつなぐだけで通信のやり取りが可能になるため、誤配線のリスクが下がります。

また、IO Linkでは従来センサーを用いた場合よりも多くの情報をやり取りすることが可能です。従来センサーでは情報のサイズが1bitでしたが、IO Linkを用いた場合は32bitまで情報サイズを増加させることができます。そのためON/OFFの信号の他にも温度や時間などのプロセスデータや装置名といったデバイスに関する情報、異常時のメッセージの記録などをIO Linkを通して取得することが可能です。

製造現場とIO Link

工場のデジタル化が進むとともに、従来は配線で一つ一つ繋いでいた製造現場の設備のあり方も見直されています。また、生産品目の多種多様化などの環境の変化に伴い、製造条件や装置のパラメータが頻繁に変わることも多く、変更が容易に行えることが求められます。このような製造現場の環境が変化したことを受けて、より短時間でミスも起こりにくく装置の停止時間も短くできるIO Linkの導入が進められています。

また、製造現場の保守についても不具合が発生してから対応する形式から、日常的にデータを取得し続けて不具合の予兆を事前に検知する形式に変わりつつあるため、IO Linkを用いたプロセスデータの継続的な取得の重要性は高まっています。

IO Linkの接続

IO LinkではIO Linkマスタと対応する各デバイスを接続した上で、社内ネットワークやPLCに接続します。一方で現場では様々な装置が様々な位置に設置されていたり、デバイスによっては移動することもあるため、通信用のケーブルが邪魔になる可能性があります。そのため、最近では無線でIO Linkマスタとデバイスを接続するものも販売されています。

無線でデバイスとIO Linkマスタを接続する場合でも通信エラーが起きにくいものが登場しているほか、無線充電もできるものも登場しています。また、機械学習によって通信エラーを回避するIO Linkシステムも発表されており、今もなおIO Linkは進化しています。

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