防爆コネクタ

防爆コネクタとは

防爆コネクタ(英: Explosion-proof connector)とは,爆発性の環境や危険な場所で使用される電気の接続用コネクタです。

防爆は爆発または火炎を防止する構造を指します。爆発性のガスや引火性・揮発性の液体を扱う工場では防爆仕様の機器を使用することが必要です。防爆コネクタは、爆発を引き起こす可能性のある火花や強い電磁放射を防ぐための設計がされています。

爆発性ガスが漏れ込んだ場合でも、コネクタ内の火花を制限する機能を有します。特殊な材料を使用しており、爆発性環境下でも堅牢かつ高耐久です。防爆コネクタは特定の規格や安全基準に適合していることが求められます。国際的な規格としては、ATEX (欧州) 、NEC (米国) 、IECEx (国際) などがあります。

防爆コネクタの使用用途

防爆モーターは化学プラントや採鉱業、軍事などで使用されます。

1. 製造業

化学薬品や石油製品の製造過程で発生する爆発性ガス下環境で使用されることが多いです。防爆コネクタによって電気機器や計測装置との安全な電気接続を確保します。

2. 鉱業

鉱業においては、鉱山内での採掘や精錬作業において、爆発性ガスや粉塵が発生する可能性があります。したがって、防爆コネクタが必要です。鉱山の照明、通信システム、モーター制御などに使用されます。

3. 軍事施設

軍事施設では、爆発物の取り扱う施設が多いです。したがって、防爆コネクタが広く使用されます。爆発性物質による事故や火災を防ぐため、電気の接続や通信システムにおいて高い安全性が求められます。

防爆コネクタの原理

防爆コネクタは、外部からの爆発性ガスや粉塵の侵入を防ぐために密閉された筐体を持ちます。筐体はステンレス鋼などの金属合金で作られる場合が多いです。

また、電気信号の伝達を行うための接触部があります。金属製のピンやソケットで構成され、信号の安定性と低い接触抵抗が特徴です。防爆コネクタの接触部は爆発のリスクを最小限に抑えるために、防爆ギャップなどを使用して爆発のリスクを軽減します。

外部からの電磁干渉や静電気の影響を防ぐ、シールド機能を備えている場合もあります。また、コネクタとケーブルの接続部にはケーブルグランドが配置されることが多いです。これにより、静電放電が制御され、爆発のリスクが軽減されます。

未完全な接続による火花や放電を防ぐために、インターロック機構を有することも多いです。コネクタが正しく接続されていない場合には電気回路が断たれ、安全性が確保されます。

防爆コネクタの種類

防爆コネクタの防爆性能は、国内外の規格で定められています。また、取り扱う危険物の種類や量によって危険度の大きい順にZone0からZone2に分類されます。エリアごとに必要な防爆構造が指定されています。

主に使用される防爆構造は、「本質安全防爆構造」「耐圧防爆構造」「内圧防爆構造」「安全増防爆構造」の4種類です。

1. 本質安全防爆構造 (記号i)

正常時および故障時に火花または高温が発生した場合に爆発性の空間に対して発火点とならないことが確認された構造です。Zone0でも使用可能です。

Zone0のエリアにおいては、制御盤などの本質安全化が難しい機器については防爆エリアの外に設置することが多いです。制御盤からの電気接続に防爆コネクタを用います。

2. 耐圧防爆構造 (記号d)

外部で爆発が起こった場合でも、その圧力に耐えて更に発火する恐れのない密閉構造です。堅牢な金属ケーシングが使用されます。Zone1から使用可能です。

3. 内圧防爆構造 (記号f)

内部に保護気体を封入することで発火の恐れがないようにする構造です。保存気体には窒素ガスなどが使用されます。Zone1から使用可能です。

4. 安全増防爆構造 (記号e)

火花やアーク、高温が生じないように安全策をとった構造です。配線同士の離隔が大きかったり、配線径を太くして温度上昇を低減したりした構造です。Zone3で使用可能です。

参考文献
https://aiwaok.jp/explosion-proof
https://www.amphenol.co.jp/military/techinfo/ExplosionproofConnector.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です