ラボジャッキとは
ラボジャッキとは台の上に器具を固定するために使用する実験室必需品です。机上にて固定したスタンドにクランプで試験管やフラスコを固定し、下からそれらを固定の目的で使用します。ラボジャッキの天板は多くの場合ステンレスをはじめとした腐食に強い金属、あるいはプラスチック、滑り止め効果が高いシリコンゴムでできています。移動機構部は多くの場合金属で、メンテナンスとしてこの部分にホコリや繊維が絡みつかないよう掃除をし、油を挿す必要があります。
ラボジャッキの使用用途
ラボジャッキは、多くの場合、スタンドなどにクランプで試験管やフラスコを固定した状態で、下から撹拌機と加温機や冷却機に浸かるように持ち上げて固定するように使う、あるいは、撹拌機を固定した状態で下からビーカーなどの容器を持ち上げて使います。前者の場合は試験管やフラスコから発生した気体を抽出する冷却管などを組み込む実験デザインの際に使用し、回転体や加温機、冷却機を可変にすることにより組み上げた装置を崩すことなく開始、停止ができます。一方後者の場合、高いせん断力が必要な回転翼を設置した場合、多くは回転翼の高さを変えることが難しいので簡単に高さを変えることができるラボジャッキを使用して試料をこぼすことなく操作が可能になります。
ラボジャッキの特徴
ラボジャッキのジャッキアップは、ノブ式、ラチェットハンドル式、回転グリップ付ラチェットハンドル式に分類されます。ノブ式は比較的耐荷重が低いものに使用され、片手でノブを回すことで機構部が屈伸し天板の高さを変えることができます。ラチェットハンドル式はノブ式より重いものを載せていても使用できる場合が多く、使用時にラチェットハンドルをはめ込むことでテコの原理を利用して少ない力で天板の高さを変えることができます。ラチェットハンドルはラボジャッキを動かしていない時外すことで思わぬ事故を防ぐことができます。回転グリップ付ラチェットハンドル式はラチェットハンドルに回転グリップが付くことで、ラチェットハンドル式より素早く天台を昇降させることができます。どれを使用するかは実験の目的、使用する物質、机上の環境など総合的に判断する必要があります。また、どの方式でジャッキアップする場合でも荷重制限を守り、日々のメンテナンスを行うことで思わぬ事故を防ぐよう留意する必要があります。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0641.html