ターニングセンタとは
ターニングセンタとは、NC旋盤を複合化させたNC工作機械のことです。
回転工具やATC(自動工具交換装置)など、旋盤にはない機能を多数搭載されており、フライス加工や偏心穴あけ加工なども可能となります。
一般に、NC旋盤でできる加工は旋削と簡単な中心穴あけ加工のみです。そのため、フライス加工が必要な場合は、その都度工作物を外してフライス加工機に固定するという作業が必要になります。ターニングセンタではそのようなことがないため、作業効率や生産性の向上が期待できます。
ターニングセンタの使用用途
ターニングセンタは、旋削やフライス、穴あけなどといった何種類かの工程がある工作物の加工に使用されます。段取り替えなしで一気にこれらの加工を行えるため、加工精度が良く、加工時間も短縮することができます。
また、背面主軸付きのターニングセンタなら、掴みかえにより背面加工も行えます。主軸と背面主軸で位相合わせをすれば、把握する位置も指定することが可能です。
ATCを搭載しているものは複雑な5軸加工も行えます。今も進化し続けるターニングセンタは、近年急速に普及が進んでいます。
ターニングセンタの原理
ターニングセンタには、「NC旋盤ベース」と「マシニングセンタベース」の2種類のタイプが存在します。
NC旋盤ベースは、回転主軸に加えドリルやフライスなどの回転工具用の回転軸が追加されたものです。ベースは旋盤なので、円筒状の工作物の加工に適しています。刃物台は旋回式(タレット)のものが多く、工具交換が容易にできます。
マシニングセンタベースは、回転テーブルなどの回転軸が追加されたものです。5軸加工機としても使われ、複雑な形状の工作物の加工に適しています。
また、ターニングセンタは工作物を自動で供給・排出できるバーフィーダーやローダーを組み合わせることで、完全自動化にも対応できます。
様々な機能が追加されたターニングセンタは非常に魅力的に思えますが、注意しなくてはならないのは機械の干渉です。多くの工具やセンサー、ロボットアームなどが追加されたターニングセンタのツーリングゾーンには干渉の危険が溢れています。少しでもプログラムを間違えると機械が衝突して故障する可能性もあるため、安全点検やプログラムのチェックはとても重要です。