ボードン袋

ボードン袋とは

ボードン袋とは、曇り止め処理の施された袋状の包装資材です。樹脂の一種であるポリプロピレンを縦横の2方向に伸ばしたフィルムで製造されており、その素材名「Oriented Polypropylene」を略して、OPP袋やOPP防曇袋などとも呼ばれています。

ボードン袋の使用用途

ボードン袋が最も広く使用されるのは、野菜・果物など青果の流通分野です。青果は、収穫後も「蒸散」と呼ばれる現象が起きており、表面から水分が放出され続けています。そのため、曇り止め処理された素材でなければ水滴で曇ってしまい、場合によっては変色や腐敗など、品物の劣化につながります。

こうした問題を避けるために、曇り止め加工されたボードン袋が利用されます。野菜や果物だけでなく、パンなど青果以外の食品や花、あるいはCDや本などの包装にも使われています。

ボードン袋の特徴

長所

OPPという素材は非常に透明度が高く、伸びずに破れにくいのが特徴です。また、水分がフィルム表面に馴染んで広がる性質により、表裏両面に水滴がつきにくいという長所もあります。この特徴が最も活かされるのが、青果の包装です。曇らずに品物を消費者に見てもらえる上、変色や腐敗なども防ぐことができます。

短所

素材としての強度は高いですが、袋状に加工する際、接合部分が裂けて破れやすいのが短所です。袋詰めの際には、注意が必要になります。

ボードン袋の種類

1. 形状とサイズによる分類

取り扱いサイズはメーカーによりますが、規格サイズの長方形だけでも10種以上あります。それ以外では、逆三角型は葉物を詰めやすく、同じ長方形でも、ネギや長芋が入る細長いタイプもあります。また、果菜や果物を詰めるのに便利な底マチ付き、マチと取手が付いたスタンド型など、様々の形状があります。

形状の他、封をする粘着テープや開封テープ付き、繰り返し開閉可能なジップ付きもあり、それぞれサイズも豊富です。袋ではありませんが、ラップ型もあり、必要なサイズにカットして使用します。

2. 穴の有無による分類

ボードン袋には、穴あき・穴無しの2種類があり、青果の包装では穴あきタイプが主流です。穴があいていることで換気され、ボードン袋に封をしても、より曇りにくくなります。一方、穴無しタイプは、乾燥に弱い青果や水濡れを避けたい品物を包装する場合に適しています。

3. 厚さによる分類

0.02mmと0.25mmが主流ですが、厚手の0.04mm、0.06mmなどもあります。底マチや取手のあるタイプで、果菜や果物などを包装する場合は、厚手フィルムが用いられています。

4. 色とデザインによる分類

透明無地の製品が主流ですが、色付きのものもあります。例えば、背面だけが黒のボードン袋ならば、他の袋に比べて売り場でより消費者の目を引きやすくなります。黒以外にも、野菜や果物の鮮やかな色が映える色合いの柄入り製品もあります。具体的には、野菜や果物のイラストや名称、あるいはリサイクルへ向けて、プラマーク表示が印刷されているものです。

大型店舗では特に、資源の再利用を意識して、プラマーク入りの包装を推進するケースが増えています。

ボードン袋の選び方

一般に野菜や果物類には、穴のあるボードン袋を選びます。特にジャガイモや玉ねぎは湿気に弱いので、穴あきタイプが便利です。反対にキノコ類や大葉、パンや生花など、乾燥に弱いものや水濡れを避けたい乾燥ハーブ類、CDや文具などには、穴の無いタイプを使用します。

ラップ型のOPPフィルムは、レタスや白菜など葉物を包む際に、使用されることが多いです。より密着させて使用でき、表面の葉が痛むことを防げます。

厚さとしては、葉物など軽量の品には0.02mm、やや重い根菜などには0.025mmを使うことが多いです。包装する品物の性質に合わせた、デザインや厚さを選びましょう。

ボードン袋の使い方

1. 封の閉め方

ボードン袋は封を閉めた方が、包装した品物の鮮度は長持ちします。そのため、通常はテープで封をするバックパッカーや、熱処理などで封をします。

バックパッカーを使用する際は、ボードン袋を一度ねじってからテープを貼ると、仕上がりが綺麗です。ボードン袋自体に、封かん用の粘着テープがついている製品もあります。

2. 葉物の詰め方

ボードン袋に詰める際、野菜や果物が揃って袋に収まることは、商品としての価値を考えると重要な点です。特に小松菜やほうれん草などの葉物野菜は、平たいボードン袋に均一に揃えて詰めることが難しいため、袋詰め専用の樹脂製シートが市販されています。

袋詰め専用シートに葉物野菜をそろえて並べ、野菜と共にボードン袋に差し込み、野菜を滑らせるように詰めて、シートを抜き取り、封をします。袋詰めシートの代わりに、みかんネットで野菜を包んでからボードン袋に差し込み、みかんネットを引き抜く、という方法もあります。

ボードン袋は、接合部分が裂けやすいため、包装作業時には注意が必要です。用途に合ったサイズや形状のボードン袋を上手く利用することで、品物を傷から守り、長持ちさせることができます。

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