散布機

散布機とは

散布機

散布機とは、農地や作物に対して、肥料や薬剤などを効率的に散布するために使用する機器です。

薬剤などを散布する機器として噴霧器がありますが、散布機との明確な区別はなく、同義と捉える場合もあります。しかし、一般的に噴霧器は主に液体を霧状にしてまくのに対して、散布機は用途別に多様な方式があり、扱える薬剤も液体に限定されません。

散布機には、背負い式タイプや胸側で保持するタイプ、押し車タイプなどがあり、動力も手動式の簡易なものから、バッテリー式、液体燃料式など種類はさまざまです。大規模なものでは、トラクターけん引式や自走式のものがあります。

構造としては単純なものが多く、導入費用も低いため、様々な場面で役に立ちます。

散布機の使用用途

1. 一般的な用途

一般的な用途では、農薬や土壌改良材、肥料、除草剤などを農地に散布するために使用します。散布するものと散布機を持ち込むだけで、作業が可能です。

散布するものの性状は、液体や固体、スラリー (泥状) などがあり、散布を要する農地面積も広狭さまざまです。粉状のものを散布する場合は、複数のノズルが設けられたホースを取付け、2人作業で散布を行うこともあります。

2. その他の用途

散布機は、性能を活かして様々な目的で用いられます。農地で使用する場合は、栽培する種子そのものを散布播種することも可能です。水田で使用する場合、ほ場に入らずに短時間かつ経済的に作業できます。

しかし、飛散距離が散布するものにより変動するため、農地の形状や面積によっては作業性が落ちてしまう可能性があります。散布するものの特徴を考慮した上で、使用することが大切です。

その他、高速で大量の空気を吐き出すことができるため、ブロワ機能のみを使用して落ち葉など比較的軽量なものを吹き飛ばす目的で用いることもあります。

散布機の原理

ポンプもしくはファンを動力により動かすことで、流体へ圧力を高めます。散布したいものをその流体と共にノズルを通して吐出することで、目的領域への散布を行います。液体であれば予め混合した液体を散布できますが、固形であれば押し出される空気に流入させる量を調整するのが一般的です。

固体のものを遠くへ飛ばすためには、速さが必要です。また、固体が接触する流体を共に高速で流すことで、より遠くまで飛ばせるようになります。そのため、飛ばしたいものに合わせた径のホースやノズルを使用することが重要です。

散布機を使用した作業は、作業者が散布量を的確にコントロールすることが求められます。散布された部分をきちんと把握する必要があり、視覚的にはっきりと確認できないことが多いです。操作に難がなくとも質の良い散布を行う場合には、熟練した技術が必要になります。

散布機の種類

散布機もいろいろな状況に対応できるように、小型なものから大型のもの、汎用のもの、特殊なものまで、さまざまな種類があります。

1. 背負い式動力散布機

背負い式動力散布機とは、タンクとエンジンとが一体になった散布機のことです。タンクを背負った状態で作業をします。この散布機は、エンジン駆動によるファンの回転で風を起こし、その風圧でもって、専用ノズルから薬剤などを広範囲に飛ばします。

薬剤、肥料を問わず散布することが可能で、散布物の性状 (液体や粒状など) もノズル交換によって対応できるため、最も普及している散布機です。エンジンの大きさとタンクの大きさの組み合わせで種類があります。

基本的には2ストロークエンジンが用いられており、排気量は30ccから80cc程度です。タンクの大きさも10Lを下回るものから30L程度まで用意されております。

もちろん大型になれば重量が10kg以上となり、肉体的負荷は増します。その代わりに強力な動力があるため、長い距離のホースが用いれるほか、大きなタンクがあれば一度に多く散布することができます。

2. 手動式の散布機

動力を用いずに手動で散布を行う機械です。動力散布機同様に手動でファンを回して粉末状のものを散布する小型の機械をはじめ、上部に設けたタンクから落ちる粒剤などを手動で回転させた羽に乗せて飛ばすタイプの散布機もあります。

どちらも動力を持たないため軽量ですが、多くの作業をこなすことはできません。小規模な使用に限られます。

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