車番認識システム

監修:アイテック株式会社

車番認識システムとは

車番認識システムとは、車両のナンバープレート情報を自動的に識別・解析し、デジタルデータとして記録・活用するシステムです。

カメラで撮影した車両画像から、光学文字認識 (OCR) 技術や画像処理アルゴリズムを用いてナンバープレートの文字・数字を抽出します。

車番認識システムの原理

国内では1980年代に開発が始まった歴史ある技術で、駐車場や交通監視の用途を中心に普及・実用化され、2000年代以降、利用シーンの幅が更に広がり、産業物流・入退場管理・おもてなしなど多様な用途で活用される技術基盤となっています。

2018年にはご当地ナンバーや図柄入りナンバープレートの交付が開始。メーカー各社は新たなナンバーへの迅速な対応が求められ、中には交付日当日から新形式ナンバーを読み取れる技術を持つ会社も存在します。

システム選定の際は、新形式ナンバーへの対応実績や実環境における認識性能や実績に加え、導入後のアフターサポート体制を確認することが重要です。

従来のシステムは、ネットワークを介してサーバーやクラウド上のデータベースに認識結果を送信し、リアルタイムで照合や履歴管理を行いますが、近年はカメラ内で処理を完結させるエッジコンピューティング型も普及しており、高速応答性とプライバシー保護の両立が図られています。

車番認識システムの使用用途

車番認識システムの主な使用用途を以下に示します。

車番認識システムの原理

1. 交通監視・管理

道路や高速道路に設置された監視装置に組み込まれ、車両の通過情報を自動的に記録します。監視カメラと連携して速度超過や信号無視を行った車両を特定し、交通違反の検出を自動化します。

また、渋滞分析や交通流量統計の収集にも応用され、交通制御システム全体の効率化に貢献しています。

ETC専用レーンでは前後のナンバーを解析するシステムの導入が必須となっており、料金収受の正確性向上に寄与しています。

2. 物流・入出庫管理

一般的な使い方としては、物流センターや工場の入退場ゲートで車両のナンバープレートを認識し、事前に予約システムに登録された情報と照合してゲートを自動で開閉します。

また、入退場ゲートに加えてバースエリアにもカメラを設置することで、その車両が何時にどの地点を通過したかを自動で記録でき、時間の差分から、その車両がどこにどれだけの時間滞在したかを割り出すことができます。

これにより、紙面記録の削減、受付作業の無人化、トラックの待機時間の短縮、さらに物流改正法により一部の荷主に義務化された「トラックの荷待ち・荷役時間の記録・計測」への対応も可能です。

3. 駐車場・施設入退出管理

商業施設や事業所の駐車場ゲートでは、車両の入出場を自動認識して精算や認証を行います。駐車券レスでの自動決済や不正駐車の防止に利用され、利用者の利便性の向上と運営コストの削減を実現します。

さらに警備システムと連携し、登録車両以外の進入をリアルタイムに通知することで安全性を高めます。

4. おもてなし・業務支援

ホテルやカーディーラーなどのサービス業界では、車番認識システムの応用で質の高いおもてなしが可能になります。

車両の来訪時に施設入口に設置したカメラで車番を読み取り、顧客データベースに登録された顧客情報と照合。応対スタッフに、お客様名や来訪履歴、過去のできごとなどを即座に通知することで、適切な対応ができるようになります。

業務支援分野の例としては、ガソリンスタンドでは車検時期の近い顧客への提案に活用。工場や研究施設では、登録車両のみゲートを開閉する入退場管理により、セキュリティレベルの向上を実現しています。

本記事は車番認識システムを製造・販売するアイテック株式会社様に監修を頂きました。

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