コンクリート除去剤とは
コンクリート除去剤とは、硬化したコンクリートやモルタルを化学的に分解・軟化させ、容易に除去できるようにする薬剤です。
有機酸や界面活性剤を主成分とし、コンクリート表面に塗布することで化学反応を起こし、構造物や機材を傷つけることなく付着したコンクリートを除去することが可能です。
従来、コンクリート除去は、高圧洗浄機や物理的な削り取りで行われていましたが、作業者の負担が大きく、対象物の損傷リスクも高いといったデメリットがありました。建設現場や生コン工場、土木作業においては、作業効率の向上、安全性の確保、機材の長寿命化のため、コンクリート除去剤が使用されています。環境負荷を抑えた製品や生分解性の高い成分を使用したタイプなどもあります。
コンクリート除去剤の使用用途
コンクリート除去剤は下記の用途で使用されます。
1. 建設・土木業界
建設現場では、ミキサー車、バケット、スコップ、型枠などにコンクリートが付着することが日常的に発生します。これらの機材に硬化したコンクリートが残ると、性能低下や腐食の原因となり、作業効率や安全性に悪影響を及ぼします。コンクリート除去剤を定期的に使用することで、機材の表面を傷つけることなく付着物を除去でき、機材の寿命を延ばすことができます。
2. 設備メンテナンス・機械保守業界
工場やプラント内で使用される攪拌機、配管、発電機などに付着したセメント系残渣の除去にも、コンクリート除去剤が使われています。特に、設備の表面に薄く広がったコンクリート皮膜は、放置すると腐食や性能低下の原因となるため、定期的な洗浄が不可欠です。
3. レンタル・建機管理業界
建設現場で使用された重機や車両は、次の現場に出す前に外観と機能の両面で整備が必要です。コンクリート除去剤は、塗装面やメッキ部品に付着したコンクリートを傷めずに除去できるため、レンタル機材の品質維持に欠かせません。