ホース保護スプリング

監修:湘南スプリング株式会社

ホース保護スプリングとは

ホース保護スプリングとは、油圧ホースなどのホース類を外部の衝撃や摩耗から保護するためのばねです。

ステンレスや鉄などの金属で主に作られており、らせん形状に成形されます。このスプリングをホースの外側に巻きつけて使用することで、外的衝撃などからホースを保護します。これにより、ホースが鋭角に折れ曲がったり、外部からの圧力で潰されたりすることを防止する仕組みです。

特に、高圧の流体を取り扱う油圧・空圧ホースは、損傷すると中身が漏れ出し、機械の故障や重大な事故につながる可能性があります。ホース保護スプリングは、そのようなリスクを低減し、ホース自体の寿命を延ばす重要な部品です。ホースの敷設後でも比較的簡単に取り付けられる製品が多く、設備の安全性の向上とメンテナンスコストの削減に貢献します。

ホース保護スプリングの使用用途

ホース保護スプリングは以下のような用途で使用されます。

1. 建設機械・産業車両

ショベルカーやクレーン車といった建設車両では、油圧ホースを過酷な環境で使用します。屋外での作業中に石や瓦礫に接触し、ホースが損傷することが多いようです。ホース保護スプリングを装着することで、このような物理ダメージから油圧ホースを保護し、機械の安定稼働を支えます。特にアームの関節部分など、頻繁に曲げ伸ばしされる部分のホース折れ防止に有用です。

2. 工場

工作機械などの設備でも油圧・空圧ホースを使用します。床面を引きずって敷設されたホースは摩耗しやすく、人や台車が上を通過することで潰れてしまう恐れがあります。ホース保護スプリングは、このような日常的な摩耗や圧力からホースを保護可能です。複数のホースを一つにまとめる結束具としての役割も果たし、ホースを整理して作業環境の安全性を高めます。

3. 自動車・農業機械

自動車のブレーキホースやトラクターの油圧ホースなど、身近な機械にもホース保護スプリングを活用します。エンジンルーム内では、他の部品との干渉やエンジンの振動からホースを守ります。農業機械は、山林での作業中に木の枝などがホースに引っかかるのを防ぎ、深刻な損傷を未然に回避できます。

4. 医療機器分野

カテーテル、内視鏡処置具、ガイドワイヤーなどの細径チューブにホース保護スプリングが使われています。急な折れ曲がりを防止し、外部からの圧迫や摩耗を抑えるほか、器具の操作を補助するガイドとしての役割も果たします。これにより、体内での安全性と操作性を確保し、医療現場での信頼性向上に貢献します。

本記事はホース保護スプリングを製造・販売する湘南スプリング株式会社様に監修を頂きました。

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