メタルマスク

メタルマスクとは

メタルマスクとは、電子基板へはんだを正確に印刷するための薄い金属板です。

電子部品を取り付ける箇所に合わせて、レーザーで微細な穴が開けられています。この穴の形状や位置は、製造する電子基板の設計図に基づいて精密に加工します。はんだ印刷の際は、このメタルマスクを電子基板の上に重ね、スキージと呼ばれるヘラのような道具で、はんだペーストを上から塗りつけます。開けられた穴の部分にだけ、はんだが基板上へ転写する仕組みです。

メタルマスクは主に、ステンレス鋼やニッケル合金などの金属で作られています。数十ミクロンから数百ミクロンと非常に薄いのが特徴です。この薄さとしなやかさによって、電子基板の表面にしっかりと密着させられます。

メタルマスクの使用用途

メタルマスクは以下のような用途で使用されます。

1. 各種電子基板

スマートフォンやパソコンなどに使用される電子基板には、表面実装部品と呼ばれる小さな電子部品が数多く搭載されます。メタルマスクは、これらの微細な部品を基板に実装する前段階であるはんだ印刷工程で不可欠な道具です。メタルマスクの精密な穴を通して、必要量のクリームはんだを基板上の正しい位置に塗布します。この工程の精度が、最終的な製品の品質や信頼性を大きく左右します。

2. 半導体パッケージ

半導体チップを基板に実装する際にメタルマスクが活用されます。BGAやCSPのような多数の電極が裏面に格子状に並んだ半導体パッケージを基板に接続する際、はんだボールを形成する工程で特に用いられます。メタルマスクを使って、電極が配置されるべき正確な位置にはんだペーストを印刷します。

3. LED・ディスプレイ

液晶テレビや有機ELディスプレイ、LED照明などの製造においても、メタルマスクは重要な役割を果たします。微細なLEDチップを高密度に基板へ実装する際は、各チップの電極部分に正確にはんだを供給する必要があります。メタルマスクを用いることで、狭い間隔で配置された多数の電極に対して、均一かつ適切な量のはんだを一度に印刷できるでしょう。