電線とは
電線とは、電気を流すための導体や絶縁体です。
私たちの生活に欠かせない電気を、安全かつ効率的に目的地まで届ける重要な役割を担います。電線の中心部には、電気をよく通す導体が配置されます。導電性で加工しやすい銅やアルミニウムといった金属が導体に使用され、必要に応じて導体の周辺を絶縁体で覆います。絶縁体として使用されるポリ塩化ビニルやポリエチレンなどの合成樹脂が漏電や感電事故を防ぐ仕組みです。
電線の構造には、一本の太い導体で構成される単線と、複数の細い導体をねじり合わせて束にした撚り線の2種類があります。単線は硬くて接続作業がしやすい、撚り線は柔軟で曲げやすいといった特徴があります。一般的には、太くなるに従って撚り線を採用する場合が多くなるようです。
電線の使用用途
電線は以下のような用途で使用されます。
1. 発電所
発電所で作られた電気はまず、送電線を通って変電所まで送られます。大量の電気を効率良く送るため、非常に高い電圧に対応できる太く頑丈な構造をしているのが送電線の特徴です。家庭や工場で使いやすい電圧に変電所で下げられた電気は、電柱などに架かる配電線を通って各所へ運ばれます。
2. 家電・電子機器
家庭にあるテレビやパソコンといった家電製品や電子機器の内部では無数の電線が活躍しています。コンセントに接続するための電源コードはもちろんのこと、機器の内部では様々な電子部品に電力を供給したり、部品間で電気信号をやり取りしたりするために、多種多様な電線が複雑に配線されています。これらの内部配線は、製品の性能や安全性を左右する重要な部品です。
3. 自動車・電車
自動車は、大量の電線によって動いています。例えば自動車には、エンジン・ライト・エアコン・カーナビなど数多くの電子機器が搭載されています。それらを制御するために、ワイヤーハーネスと呼ばれる電線の束が車内に張り巡らされています。ワイヤーハーネスは、複雑な配線を効率的にまとめ、電力や信号を各装置に正確に伝える役割があります。