エアツール

エアツールとは

エアツールとは、圧縮した空気を動力源とした工具製品群全般の総称です。

一般的には手持ち工具を指すことが多く、エアコンプレッサーから供給される圧縮空気の力でモーターを回し、締め・緩め・研磨・切断などの各種作業を行います。電動工具と比較して、高出力や高トルクでありながら小型で軽量です。過負荷に強く、モータの焼きつきなどがありません。電動工具に比べてシンプルな構造で壊れにくく、メンテナンスが容易です。

エアツール製品は、回転力・推進力・膨張力のそれぞれを利用する製品に大別されます。エアモーターの回転力を利用する主なエアツールは、エアインパクトレンチ・エアラチェットレンチ・エアドリル・エアドライバー・エアサンダーなどです。エアニッパー・エアソー・エアタッカーなどはピストンの推進力を利用します。エアダスター・スプレーガン・エアブラストなどは膨張力を利用するエアツール製品です。

エアツールの使用用途

エアツールは下記に挙げる分野のほか、航空・宇宙・鉱業・船舶・電力などの分野でも広く使用されています。

1. 自動車関係

エアツールのメリットの一つは、電気を使わないため、漏電や感電の危険性がほとんどないことです。圧縮空気を供給するエアコンプレッサーは、充填作業のために電源を必要とするものの、充填完了後は電源が不要です。そのため、火花による爆発の危険性がある自動車関係の現場で多く利用されています。

ガソリンスタンドや自動車修理工場などで、エアインパクトレンチやエアスクリュードライバを用いてボルト・ナット・ネジの取り外しが行われています。またタイヤの取り外しや組み立て、タイヤの充填などにも使用可能です。自動車塗装においても、エアスプレーガンなどのエアツールが利用されています。

2. 製造加工一般

一般的な工業生産において、組み立て作業・研磨・切断・整備・補修など、様々な加工作業にエアツールが使用されます。連続した使用で熱くなりやすい電動工具に対し、エアツールのモーターは熱を持たないため、生産ラインなどでの利用に適しています。

木工・金属加工など、様々な材質の加工で利用が可能です。例えば木工では、釘打ちや穴あけにエアネイラーやエアドリルが利用されています。また表面の研磨や仕上げにエアサンダーやエアプレーナーなどが利用されます。金属加工では、エアグラインダーによる金属表面処理や、エアパンチャーを用いた金属パンチングなどが行えます。

3. 建設業

エアツールは高出力や高トルクであるため、建設業においても活用されています。また電源が不要であることから、電源を確保しづらい場所や狭い箇所でも利用しやすいため、建設工事において電動工具よりも適している場合があります。

釘打機やスーパーネイラなどを用いたビス打ちが主流ですが、その他にも様々な種類のエアツールを用いて、穴あけ・ネジ締め・塗装などの様々な作業を行えます。またコンクリートの解体や打撃をエアハンマーで行えるので解体作業にも利用されます。