ガラスクロス

ガラスクロスとは

ガラスクロスとは、ガラス繊維を織って作られた布状の素材です。

ガラスを溶かして細い繊維状にしたものがガラス繊維です。ガラス繊維をタテ糸とヨコ糸にして布のように織り上げたものがガラスクロスと呼ばれます。不燃性と耐熱性に優れており、温度や湿度の変化による伸び縮みが少ない点が特徴です。また電気絶縁性を有し、耐薬品性も備えています。同じ太さの鋼鉄よりも引っ張り強度が優れており、軽くて丈夫な素材です。

ガラスクロスをそのまま使うこともありますが、多くの場合は樹脂などと組み合わせて複合材料として利用されます。その際、ガラス繊維と樹脂の結びつきを強くするために、特殊な処理が表面に施されることが一般的です。それぞれの素材が持つ長所を最大限に引き出し、より高性能な材料を生み出せます。

ガラスクロスの使用用途

ガラスクロスは以下のような用途で使用されます。

1. 建築・土木

建築や土木の現場では、建物断熱材の表面材として使われたり、屋上の防水性を高めるための防水シート補強材として用いられたりします。また燃えにくい特性から、防火性が求められる場所の壁紙や、商業施設などで見られるテント状屋根の膜構材料としても活用されます。コンクリート構造物の補修・補強材料としてガラスクロスを貼り付ける工法があり、構造物の耐久性を向上させる役割を担っています。

2. 電子・電気

ガラスクロスは電気絶縁性が高いため、電子・電気分野で不可欠です。代表的な用途は、パソコンなどの電子機器に使用されるプリント基板の基材です。プリント基板は、樹脂にガラスクロスを含ませて固めた板に電子回路を形成したもので、ガラスクロスによって強度や耐熱性を担保します。これにより、微細な電子部品の安定した実装が可能です。

3. 産業・工業

産業・工業製品の分野では、ガラスクロスを樹脂で固めたFRPと呼ばれる繊維強化プラスチックとしての利用が中心です。軽くて強いというFRPの特性を活かし、自動車のバンパーやボート船体などに使用されます。これらの乗り物は軽量化により燃費が向上するため、FRPは非常に優秀な素材です。