粉体塗装機

粉体塗装機とは

粉体塗装機とは、粉末状の塗料を静電気の力で塗布する機械です。

粉体塗装機の基本的な仕組みはまず、スプレーガンから噴射される粉体塗料にマイナスの静電気を帯びさせます。そして、アース接続によってプラスの電気をあらかじめ帯びた対象物に向けて吹き付けることで塗料が均一に付着します。その後、専用の乾燥炉で加熱すると、付着した粉体塗料が溶けて滑らかな塗膜となり、化学反応によって硬化します。

液体塗料は有機溶剤を使用しないため、作業者の健康や環境に配慮した塗装方法として注目されています。また厚みがあって衝撃や傷に強いため、耐久性や耐食性に優れた強固な塗膜を作り出せます。塗装対象物に付着しなかった塗料は回収して再利用できるため、資源を無駄なく使える経済的な側面も有します。

粉体塗装機の使用用途

粉体塗装機は以下のような用途で使用されます。

1. 自動車部品

アルミホイールや足回りのスプリング、シャシーフレームといった部品に広く採用されます。これらの部品は走行中に小石や雪に当たることが多く、過酷な環境に置かれています。粉体塗装によって形成される厚く強固な塗膜によって、外部からの衝撃や錆から部品を長期間保護できるでしょう。美しい外観を維持するだけでなく、自動車の安全性と耐久性も支える重要な技術です。

2. 金属製品・建材

オフィスで使われるスチール製のデスクやロッカー、家庭用の冷蔵庫や洗濯機の外装パネルなどが代表的な使用例です。屋外では、ガードレールやフェンス及び公園の遊具などにも利用されます。傷や汚れに強く、紫外線による色あせが起こりにくいため粉体塗装機が採用されます。長期間にわたって美観を保ち、製品の寿命を延ばすことに貢献します。

3. 産業機械・電気機器

工作機械のカバーや制御盤の外装など、油や化学薬品に触れる可能性がある場所に活用されます。粉体塗料は電気を通しにくい性質を持つため、電気機器の筐体に使用することで内部の電子部品を保護し、安全性を高めることが可能です。厳しい環境から機械を保護し、安定した稼働を支える重要な役割を担います。