カシメ加工とは
カシメ加工とは、複数の部品に力を加えて変形させて接合する加工サービスです。
溶接のように熱を加えたり、接着剤のように薬品を使ったりすることなく部材を変形させることで締結します。リベットなどの部品を打ち込んで頭部を潰したり、一方の部品の突起部分を潰して広げたりすることで複数の部品を固定する仕組みです。プレス機やカシメ機で加工され、安定した品質での大量生産が可能です。
また熱を使わないため、熱による材料の変質や歪み、焼けといった影響がありません。そのため塗装された部品同士や、性質の異なる金属同士、金属と樹脂といった異素材の接合を容易に行えるのが大きな特徴です。また接着剤のように硬化時間を待つ必要がなく、加工後すぐに強度を発揮できるため生産効率の向上にもつながります。
カシメ加工の用途
カシメ加工を受託するサービスが存在します。以下はその主な用途です。
1. 自動車・航空宇宙
これらの分野では、高い品質と信頼性が求められるため、実績と高度な技術力を持つ専門業者への依頼が多く見られます。例えば、新車種開発における試作品製作や、量産前の評価試験用に小ロットの部品を加工する際に受託加工サービスが利用されます。また自社の生産ラインでは対応できない特殊なカシメ加工を専門業者に委託するケースも多いようです。
2. 家電製品・電子機器
これらの分野は製品のモデルチェンジが早く、新製品を開発するたびに新たな加工設備を自社で導入するのは非効率なため、外部の専門業者に委託することがあります。特に、スマートフォンなどに使われるような微細で精密なカシメ加工は専用の設備と高度なノウハウを要します。そのため自社で対応するよりも受託加工サービスに依頼する方が、品質とコストの両面でメリットが大きい場合が多いでしょう。
3. 日用品・建築材料
金属加工の自社設備を持たないメーカーにとって、受託加工サービスは重要な役割を果たします。アパレルメーカーがジーンズ用のオリジナルリベットを製作する場合などが効果的な使用例です。家具メーカーが、デザイン性の高い金具を取り付けたい場合などにも活用されます。