テフロンノズルとは
テフロンノズルとは、液体材料を精密に塗布するために使用されるテフロン製ノズルです。
テフロンは正式名称をポリテトラフルオロエチレンというフッ素樹脂です。耐薬品性と耐熱性が高く、ものがへばりつきにくい点が特徴です。これらの特性により、ノズルの先端で液体材料が固まってしまうのを防ぎ、目詰まりを抑制できます。特に、空気中の水分と反応してすぐに硬化する瞬間接着剤などで効果を発揮します。
また、テフロンは電気を通しにくい絶縁体であるため、電子部品を扱う工程で静電気を抑える役割も果たします。さらに、軽量で金属に比べて衝撃を吸収しやすいことから、繊細な部品を扱う場合も対象物へのダメージを抑制可能です。こうした化学的・物理的な特徴から、多様な産業装置で採用される信頼性の高いノズルです。
テフロンノズルの使用用途
テフロンノズルは以下のような用途で使用されます。
1. 電子機器
電子部品実装装置でのはんだペーストやフラックスの点付けに使用されます。ペーストは粘性が高く金属ノズルでは固まりやすいですが、テフロンであれば内部に残渣が残りません。これにより、塗布量のばらつきが生じにくい点が評価されています。また絶縁性も高いため、静電気による微細チップの吸着不良を抑え、歩留まり向上に寄与します。
2. 医薬品・化粧品
医薬品や化粧品の充填ラインにおいても、テフロンノズルが適しています。テフロンは液体と接しても溶出がほとんど発生しないため、点眼薬や美容液などの液剤に使用しても品質を損ねません。内壁が滑らかなため無菌洗浄も容易で、生産停止時間を短縮できる点もメリットとして挙げられます。
3. 化学薬品
優れた耐薬品性を活かして、腐食性を持つ化学薬品や溶剤を塗布する用途にも使用されます。一般的な金属やプラスチック製のノズルでは劣化してしまう液体でも、フッ素樹脂製のノズルであれば長期間安定して使用可能です。化学研究での試薬の分注などで活躍します。また、機械装置に対するグリスの塗布などにも使用される場合があります。