ハンドホール

ハンドホールとは

ハンドホールとは、地中に埋設された電気・通信・給排水などの配管やケーブルにアクセスするために設けられる点検用構造物です。

マンホールよりもサイズが小さく、人が中に入るのではなく、手や腕を差し入れて作業することを想定して設計されています。そのため「ハンド (手) ホール」と呼ばれています。

ハンドホールの蓋は地面に露出しており、使用されていないときはしっかりと密閉されているため、外観上はただの円形または四角形のふたしか見えません。材質はコンクリート製や、軽量化や耐腐食性の観点から樹脂製やFRP 製が用いられることもあります。設置場所としては、都市部の歩道や車道、公園、商業施設の敷地内、ビルの地下設備など多岐にわたります。

見た目には目立ちませんが、日常の安全・快適な環境を守る重要な設備のひとつです。

ハンドホールの使用用途

ハンドホールが用いられるのは、主に以下のような目的のためです。

1. 電力・通信ケーブルの接続や保守点検

都市部では、電線や通信ケーブルが地中に埋設されているケースが多く、それらの途中接続点や分岐点にハンドホールが設けられています。作業者は蓋を開け、内部に腕を差し入れてケーブルの接続作業や点検、修理を行います。光ファイバーケーブルや電話線、同軸ケーブルなどの通信インフラに加え、地中送電線や配電線にも使用されており、生活インフラの維持に欠かせない存在です。

2. 給排水管の点検・清掃

ハンドホールは給排水設備にも活用されます。排水管の詰まりや漏れの点検、メンテナンスの際にアクセス可能な点を設けておくことで、配管全体の機能の維持に貢献するものです。特にビルや大型施設では、定期点検の容易さを重視して、各階層や区画ごとにハンドホールが設けられているケースもあります。

3. 交通信号・監視カメラ設備の電源・通信線管理

近年では、都市のスマート化に伴い、交通信号機や道路監視カメラ、防犯カメラなどの設備も多数設置されるようになりました。これらの機器は電源や通信ケーブルを必要とし、ケーブルは地中を経由して配線されることが多くなっています。その中継・接続・保守ポイントとしてハンドホールが活用されます。