業務用バット

業務用バットとは

業務用バットとは、大量調理を支える角形で浅い容器です。

四辺が立ち上がった浅い箱状の形状であり、液体をこぼさず保持することができます。また、底面が広いため、熱や冷気が均一に伝わりやすく、加熱や急冷の効率を高めます。主流の素材は鉄にクロムとニッケルを混ぜたステンレス鋼で、さびにくさと耐久性が特徴です。軽量なポリプロピレンやポリカーボネートなどの樹脂製も普及しています。透明で内容物が一目で確認できる樹脂製バットも多いです。

食器洗浄機にそのまま入れられる形状が基本で、角や段差を避けたつくりが衛生管理を助けます。ステンレスは約800℃、樹脂でも100℃前後の耐熱性があり、茹で上げた食材を移しても変形しにくく、長期間の使用に耐えます。

業務用バットの使用用途

業務用バットは、一般的に調理で使用されます。以下はその用途の一例です。

1. 下処理

根菜の泥を落としたり肉を液に浸したりする際、バットを使用することで素材を重ならずに並べられます。底面が平らで安定しているため、包丁作業中でも傾きません。網を重ねれば水切りもでき、作業台の清掃時間短縮にもつながります。加熱調理前に調味料と合わせておく区画として使うことで、鍋に投入する順番も視覚的に整理でき、調理ミスを防げます。

2. 保存・運搬

一定量を小分けして冷蔵・冷凍庫に積み重ねることが可能です。大量調理現場で重宝されます。番手が揃ったバット同士は段差なく重ねられ、冷却効率が高まります。食品容器規格に準拠した製品を選べば、化学洗剤のにおい移りなども抑えられます。

3. 提供・陳列

調理済みのから揚げや焼き菓子を盛り付け、カウンターやビュッフェラインにそのまま乗せられます。これにより、高さがそろい、統一感を持たせた状態で提供できます。スチームテーブルやショーケースの規格サイズとも合致するため、保温・保冷機能も無駄なく活用できます。鉄製バットは加熱機器に直接セットしても変形しにくいため、出来立ての温度を保ったまま客席へ供給できます。