ファイバードラム

ファイバードラムとは

ファイバードラム

ファイバードラムとは、紙でできたドラム形状の容器です。

粉体状の化学品や医薬品の輸出用に主に使用されています。金属や合成樹脂のドラムに比べて軽量なのが特徴です。

紙でできていると言っても、ファイバードラム用の強度が高い紙で作られており、十分な強度を持ちます。そのため、ファイバードラムを積み重ねて、保管したり輸送したりすることが可能です。

また、紙から作られているため焼却やリサイクルが容易です。サイズも様々で、1リットルから120リットル程度と幅広い大きさのものがあります。

ファイバードラムの使用用途

ファイバードラムは、安価でサイズも多種にわたるため、様々な製造現場で日常的に使用される容器です。中でも粉体の充填によく使用されています。粉体を充填する際には、直接ファイバードラムに充填するのではなく、ファイバードラム内にポリエチレン製の内袋を配し、この内袋内に充填するのが一般的です。

粉体状の化学品や医薬品の輸出用の容器として使用する場合には、コンタミネーションを防ぐために専用のファイバードラムを使用します。なお、有機溶媒などの液体は漏えいする恐れがあること、セットで用いられるポリエチレンの袋が劣化してしまうことからファイバードラムには適していません。

ファイバードラムは、材質が紙であることから容器が軽く、プラスチックのようにロット数が多いものを運ぶ際にもよく使用されています。

ファイバードラムの原理

ファイバードラムは、ダンボールなどに使われるクラフト紙やライナー紙を積層させた高強度を有する紙で作られます。ファイバードラム用の高強度紙よりなる円筒状の本体の上下を、同じ紙や金属よりなる蓋で蓋をした形状です。蓋の閉め方には、テープで蓋と本体を張り合わせる方法や、金属バンドで締め付ける方法があります。

一般的には、金属製の蓋とバンドを使い密閉性を高めるケースが多いです。型番によっては危険物の輸送に必要な基準を満たしているものもあり、海外への危険物の輸出にも使用可能です。

ファイバードラムのその他の情報

1. ファイバードラムが適さない内容物

ファイバードラムは、重量物や水を多く含む製品の運搬には向いていません。

ファイバードラムは紙でできているため金属製ドラムよりも運搬時の負荷が少なく、廃棄も容易です。コスト面でも金属製ドラムよりも安いため、大量に出荷する製品にも使われることが多いです。一方で、金属製ドラムよりも耐久性が低いため、重量や密度が大きい製品の運搬には適しません。また材質が紙であるため、水分を多く含む製品や酸化性物質の運搬にも適していません。

ファイバードラムをこのような製品の充填に使用する場合は、耐水処理等の特殊な処理を行ったファイバードラムを選定する必要があります。メーカーによっては充填する製品に合わせてファイバードラムの表面を加工可能です。

2. ファイバードラムの解体方法

ファイバードラムを解体する方法は、ファイバードラムの種類により異なります。

本体が紙で上蓋部分が金属製のファイバードラムは、本体上下の蓋取り付け部分に金属よりなるリングが配されているのが一般的です。また、金属よりなる上蓋は金属バンドで取り付けられているのが一般的です。これを解体する場合は、まず、上蓋の金属バンドを外し、金属製の上蓋を取り外します。続いて、底面の紙でできている蓋の外周部をカッターなどで切って底面の蓋をドラムの中に押し込んで分解します。最後に、ドラム筒状の本体の上下の金属リングを外して解体完了です。

底面の蓋が金属リングを使用せずに紙同士を嵌合させて固定しているものや、上蓋および底面の蓋の取り付けに紙の嵌合を使用しているものは、金属バンドや金属リングを外す必要がないため、さらに容易に解体可能です。

参考文献
http://toyoyoki.co.jp/wahtsFiberDrum.html
https://okamoto-youki.co.jp/data/71/product_detail

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