荷崩れ防止

荷崩れ防止とは

荷崩れ防止

荷崩れの防止とは、パレット上の貨物や荷台の貨物、倉庫の在庫品などの荷を崩れないようにするための方法を指します。荷崩れによる労働災害は、人的被害はもちろんのこと、崩れた荷にも損害が発生してしまい、甚大な被害の原因となります。

国内においては、荷崩れによる災害から労働者を守るために一定の行動に伴った規則が定められています。そのなかでも荷崩れ防止に関する規則は、労働安全衛生規則(以下、安衛則)によって取り決められています。

例えば安衛則の第151条第10項の第1号から第2号では、車両系荷役運搬機械などに荷を積載するときには、偏荷重が生じないように積載することや不整地運搬車もしくは構内運搬車、貨物自動車にあたっては、荷崩れまたは荷の落下に伴う労働者の危険を防ぐために、荷に対してロープもしくはシートをかけるなどの必要な措置を講ずる必要があると定められています。

荷崩れ防止の使用用途

荷崩れを防ぐためには、一般的に荷に対してロープやシートにより荷を固定することで荷の落下などを防止します。そして、荷を固定したことによって、荷の重心が一定に保たれることからバランスを崩すリスクも低減されます。

昨今では、荷崩れを防止する製品も進化しており、伸縮自在なバンドやベルトが販売されていたり、荷崩れ防止用の接着剤を塗布する方法、もしくは荷の置き場を防護柵で囲う方法などがあります。

伸縮自在なバンドなどは、これまでのフィルム材などによる何重にも重ねて荷物を固定する方法とは異なっており、荷に対してバンドを一周させるだけでワンタッチロックが可能になっています。バンド部は、伸縮が可能な特殊な繊維で構成されていて、多くの荷において活用することができます。

荷崩れ防止用の接着剤を活用した固定方法では、荷の上部に水溶性の接着剤などを塗布することにより、横揺れに対して抵抗力を発揮させます。これは接着剤を塗布したことで荷同士の摩擦力が高まり、荷が滑り落ちることを防ぎます。

荷の置き場を防護柵で囲う方法は、荷の置き場が常に固定されており、荷が集約する場合において効果を発揮します。また、この方法は、荷が重い場合においても活用することが可能で荷崩れが生じてしまった際に安全性が高い点もメリットとして挙げられます。

荷崩れ防止の原理

2013年の厚生労働省の公表では、陸上貨物運送事業における荷役作業時の死亡災害のうち、荷崩れが原因となった災害は、全体のうち19.3%を占めていました。このほかの項目では、転落や脱落が約21%、フォークリフト使用時が約17%、無人暴走が約16%、後退時が約5%、そのほかが約21%となっています。

このように荷崩れによる災害は、人の命を脅かし、実際の事故も発生していることが分かります。そのため、厚生労働省からも陸上貨物運送事業において、荷崩れを防止する方法や注意点について、ホームページから公表しています。

同公表では、荷崩れによる労働災害を防ぐためのポイントとして、脱落時保護用の保護帽を必ず着用することや荷の積付け時には、積荷の状態を確認することが重要であると記載されています。

積付け時にバランスの悪い荷の配置を行ってしまうと、積みおろし時に非常に危険になります。したがって、積付けを行う際には、積みおろし時の配慮を行いながら作業に取り組むことが大切です。

また、そのほかにもフォークリフトで荷を持ち上げた際に荷物が崩れることにより、労働災害が発生する事例も前述した通りに約17%も発生しています。このことから荷の状態を確認することはもちろんのこと、作業手順書を作成したり、複数の作業者で荷役作業を行う場合においては、作業指揮者を配置することも大切なポイントです。

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